【運用経験を元に解説】スカウト効果測定で押さえるべき指標(KPI)とポイント

ダイレクトリクルーティングを活用した採用活動では、担当者は「とにかくスカウトを送る」というアクションに注力しがちです。しかしせっかく媒体を活用するのであれば、数字結果に基づいたアクションの見直しを行っていく必要があるでしょう。

この記事では、ダイレクトリクルーティングサービス「core scout(コアスカウト)」が、これまでの多数の運用経験の中から、具体的なノウハウを提供いたします。

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書いた人:石川裕士
人材紹介のキャリアアドバイザー歴6年。core scoutではプロジェクトマネージャーとして採用におけるダイレクトリクルーティングの代行業務を担い、主にIT業界のエンジニア採用支援を行っている。

なぜ効果測定が重要なのか?

採用活動には、行動の質と量が必要です。しかし社内リソースは無限ではありませんし、ポジションごとに優先度があるはずです。 限られたリソースをどのような優先度で振り分けていくかは、採用担当者に求められるスキルのひとつです。

データを基にした効果測定が行われていなければ、優先順位を決めたり、改善活動を行うことができません。リソースを投下しても「うまくいってるのか明確にわからない」という状態を引き起こすでしょう。

効果測定は、それ以降のスカウト送信において「仮説を立てる」「ゴールを決める」役割を果たします。特に経験の少ない担当者の場合は、質と量に関する指標がなければ的確に進まないため、時間をかけてでも効果測定ができる体制をととのえることをおすすめします。

指標の設定① スカウト返信率

これまでのデータが蓄積されている場合はその数字を元に指標を決めます。そのポジションでの過去の返信率を確認し、それよりも2〜3%程度を上乗せして設定することが多いでしょう。今から指標を設定する場合は、返信率の指標を仮決めします。

体感としては、返信率が7%以下になれば要注意のサイン。送信フローや記載内容を見直すなどのアクションを取りましょう。可能であれば返信率10%を目指してください。

返信率はダイレクトリクルーティングのツールによっても変動します。そのツールにおける平均値などは、担当者に聞くことも必要です。

指標の設定② 送信OK率

媒体から候補者を選定、評価、送信するのが同じ担当であればこの指標はあまり関係ありませんが、昨今のスカウトは現場を巻き込んでの運用も増えています。その場合は選定を採用担当で行い、評価のみもしくは評価+送信を現場担当が行うという体制になることが多いです。

仮に選定側が「とあるポジションでスカウト送信候補者を10名選定」したのちに、確認者が何人のOKを出すかどうかが「送信OK率」です。10人を選定して、8人に送信を送ることになれば、送信OK率は80%ということです。

70%を下回っているときは、選定者と現場に目線のずれがある可能性があります。選定効率が悪ければマッチング率も下がるため、選定者と現場のギャップを埋めるためのアクションを取りましょう。

はじめから80%、90%を目指したい気持ちもあると思いますが、採用は「会ってみたらよい人だった」という不確実性を多分に含む仕事です。指標を厳しくしすぎないことも重要です。

スカウトを開始して間もない企業では、「採用担当者が選定→現場の評価」を数回繰り返し、送信OK率が高ければ目線が合っていると仮定して、採用実務を現場ではなく採用担当者が受け持つなどの判断を行います。

開封率は気にするべきか

スカウトの質を上げるには、送信量も担保したいところです。これから効果測定を始める場合は、まずは20通以上の送信を行ってください。

送信後の開封率も指標のひとつではありますが、あくまで「返信率」と「送信OK率」のサブ指標として考えてください。ただし20通送信して2通しか開封されてないのであれば、件名の工夫や、転職意欲のある方を選定できているかなどの改善が必要です。

開封率に課題がなければ、送信数を増やすなどの量のアクションを続けましょう。

開封率が高いけども返信率が伸びないというときは、ターゲットの見直しもしくはスカウトメッセージの見直しをおすすめしています。

一喜一憂は不要、効果測定の振り返りのコツ

週次ではなく隔週の振り返りがおすすめです。週次では変化がないことも多く、また小さな数字に振り回されがちです。隔週で指標からどれくらいかけ離れているか、もしくは達成しているかを確認し、てこ入れが必要なフローがないかを客観的に確認しましょう。

加えて月次の振り返りも行うと効果的です。ある程度まとまった数字があれば、総合的な判断がしやすくなりますし、データに関する考え方は企業によっても変わるはずです。

数字が悪くても、課題が明確で、取るべきアクションがはっきりしているのであれば一喜一憂する必要はありません。アクションが曖昧だと状況はなかなか好転しませんから、社内やチーム内で共通認識を持ち、数字の変化に踊らされずに着実なアクションを行いましょう。

課題が見つかったときの4アクション

効果測定を進めて、改善が必要になったときは以下を検討してください。

・スカウトのタイトルを変える
・スカウトの文面を変える
・送信するターゲットを変える
・送信する媒体を変える

スカウトに関しては、特別なテクニックや裏技は存在しないと考えていただいてよいでしょう。

スカウトの文面の見直しでは、長短よりも「候補者に興味を持っていただけるような文面になっているか」を考えます。会社が伝えたい内容はもちろんですが、候補者に刺さる情報が書かれている必要があります。

文面の抽象度が高ければ、情報収集を行うことも大切です。たとえば「組織の課題を解決できる人材が欲しい」という文面をよく見ますが、組織の課題とは具体的には何でしょうか。そこを言語化し、個別のスカウトだからこそ可能になる一歩踏み込んだ文面で候補者の興味をそそってみるという手もあります。

ターゲット層の見直しでは、現場を巻き込むことも検討ください。どのような人材が必要か、なぜ採用できていないかの解像度を上げながらチューニングを行うためには、現場の意見が必要です。

チームや上司との数字共有

せっかく効果測定をするのですから、数字を元にした情報共有を行いましょう。現状の数字と目標、その結果をきちんと予実管理できればベストです。

報告の現場では「想定」と「ギャップ」について客観視しながら話を進めましょう。なぜギャップが生じてるのかという仮説と、解決のための取り組みがストーリーで共有できれば、チーム内の認識が揃うはずです。募集ポジションが複数あるときは、ポジションごとに予実管理を行うことをおすすめします。

もし「現場の求める人数を全然採用できていない」ようなことがあれば、アクション数とその反応、ツールや手法のメリットとデメリットなどを共有しましょう。その上で「一番の課題はここだと考えている」というボトルネックも双方で認識できれば、現場の理解を得られやすくなるはずです。

そのときはスケジュール感と、妥協点がないかも探りましょう。目線を下げずにスカウトを続けるか、それとも緊急性の高いポジションなら条件を変える必要があるのかなど、コミュニケーションを取らなければならないことが多いはずです。

スカウトを続けるなら早めの効果測定を

採用を始めた直後や、見直しのタイミングでは「何通送ればいいのか」などの指標がなく振り返りも曖昧になりがちですが、質と量を担保しながら効果測定を行い、予実管理をしっかり進めれば目標達成への道筋は見えてくるはずです。軌道修正が必要なら、なるべく早く着手しましょう。

社内にノウハウがない場合は、外部の知見にも頼ってください。採用はタイミングも重要です。自社にマッチする優秀な人材を発見し、いち早く面談に進めるためにも、スカウト前後で発生する数字に敏感になってみることをおすすめします。

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