エンジニア採用をする際に気になるのが、エンジニア一人あたりの採用単価。年々エンジニアの採用単価が上昇している背景もあり、採用に苦心している方も多いのではないでしょうか。
当記事では、エンジニア採用の平均単価や上昇理由・低コストに抑える方法を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
そもそも採用単価とは?
そもそも採用単価とは、なんでしょうか。
エンジニアの採用単価を正しく把握するために、エンジニア採用におけるコストには何があるのか、エンジニアの採用単価はどのように計算するのか、という疑問を解決しておきましょう。
採用単価の計算方法
エンジニアの採用単価は、一般的に下記のように計算されます。
一人あたりの採用単価 = 採用コスト総額(外部コスト+内部コスト)÷ 採用した人数
採用単価を計算するためには、採用コスト(外部コスト+内部コスト)を漏れなく抽出する作業が欠かせません。自社でどれだけの費用がかかっているのか、しっかり見える化していきましょう。
エンジニア採用における外部コスト
エンジニア採用における外部コストとは、エンジニアを採用するにあたり社外の人材・システムに対して支払った費用を指します。
【外部コストの例】
- 求人広告の掲載費用
- 人材紹介会社への成功報酬費用
- ダイレクトリクルーティングのスカウト費用
- RPO(採用代行)費用
- 合同企業説明会等のイベント費用
- 採用ホームページやパンフレット制作における外部発注費用
エンジニア採用における内部コスト
エンジニア採用における内部コストとは、エンジニアを採用するにあたって社内で発生した費用を指します。
【内部コストの例】
- 人件費(人事・採用担当・面接担当など)
- リファラル採用などによる社員へのインセンティブ
- 求職者と面接する際の交通費
- 内定者が入社する際の引越し費用
- 内定者への入社祝い金
エンジニア一人あたりの平均採用単価
エンジニア一人あたりの平均採用単価について、株式会社マイナビによる「中途採用状況調査2023年版(2022年実績)」を見ると、ITエンジニア1人あたりの求人広告費は過去4年間の平均で52.9万円というデータが出ています。
【ITエンジニア1人あたりの求人広告費】
2022年 | 55.9万円 |
2021年 | 40.5万円 |
2020年 | 51.3万円 |
2019年 | 63.9万円 |
またtype・女の転職typeが実施した「中途採用向けのアンケート調査」では、エンジニア経験者採用における採用単価は100万以下が68%を占める結果が出ています。平均単価にならすと113万円でありつつも、割合としては100万円以内に抑えている企業が多い傾向にあるようです。
参考:type「エンジニアの採用単価(2022年11月調査結果)」
採用手法別で見るIT人材の平均相場
人材紹介、求人広告、ダイレクトリクルーティング、求人検索エンジン、合同企業説明会(オンライン含む)の5つの採用手法における「IT・通信・インターネット業界」の平均予算と実績のデータを見てみましょう。
下記は株式会社マイナビによる「中途採用状況調査2023年版(2022年実績)」にて、中途採用における直近1年間の予算と実績について調査したデータです。
【IT・通信・インターネット業界の中途採用予算と実績】
平均予算 | 平均相場(実績値) | |
人材紹介 | 320.2万円 | 295.3万円 |
求人広告 | 152.1万円 | 97.3万円 |
ダイレクトリクルーティング | 189.5万円 | 141.5万円 |
求人検索エンジン | 89.8万円 | 78.7万円 |
合同企業説明会(オンライン含む) | 115.9万円 | 104.8万円 |
採用手法別で見ると、平均相場が高い順に「人材紹介→ダイレクトリクルーティング→合同企業説明会→求人検索エンジン→求人広告」という結果となりました。なかでも人材紹介は平均295.3万円と圧倒的に高いことが伺えます。
人材紹介を中心に採用戦略を立てている場合は、ダイレクトリクルーティングを一部取り入れるなど、手法を見直すだけでも採用単価を大きく改善できるでしょう。
エンジニア採用単価が上昇している理由
エンジニアの採用単価上昇の背景には、
- IT人材の不足
- エンジニア有効求人倍率
という2点が大きく関わっています。
IT人材の需要拡大にエンジニア数が追いつかず、エンジニア採用単価が上昇している傾向にあるのです。上記2点について、もう少し詳しく見ていきましょう。
IT人材の不足
株式会社マイナビが公開した「中途採用状況調査2023年版(2022年実績)」によると、調査対象の17職種のなかで最も「不足を感じる」と回答した企業が多かった職種がITエンジニアという結果が出ています。
【ITエンジニアの過不足感】
- 余剰をとても感じている:5.3%
- 余剰を感じている:15.0%
- ちょうどよく充足している:33.3%
- 不足している:34.8%
- とても不足している:11.6%
不足を感じている割合は46.4%もあり、約半数が人材不足の課題を抱えているといえるでしょう。
参考:株式会社マイナビ「中途採用状況調査2023年版(2022年実績)」
エンジニア有効求人倍率の上昇
dodaが発表した転職求人倍率レポートの「IT・通信業界」項目を見てみると、有効求人倍率は段々と上昇している傾向にあります。
【2023年度 IT・通信業界の有効求人倍率】
12月 | 8.85 |
11月 | 7.62 |
10月 | 6.63 |
9月 | 6.71 |
12月時点では8倍を超える数値が記録されており、「求職者1人あたり約9件の求人がある」という圧倒的売り手市場であることからIT市場での採用難易度が高まっていることが伺えます。
エンジニアの採用単価を抑える4つのポイント
採用を進めるなかで課題になりやすい採用単価。できるだけ単価を抑えて採用を進めたいと考えている採用担当者の方は多いでしょう。
ここからは、エンジニアの採用単価を抑える4つのポイントについて紹介していきます。
- 採用コストの内訳を見直す
- 採用要件を緩和する
- 採用手法を見直す
- 副業・業務委託・フリーランスの採用を行う
一つ取り入れるだけでも効果を感じられる可能性は高いので、自社の採用状況や平均採用単価を見ながら改善に取り組んでみてください。
1.採用コストの内訳を見直す
まずは、採用コストの内訳を見直していきましょう。そもそもエンジニア採用において、どのようにコストが使われているのかが分からなければ対策のしようがありません。
外部コストと内部コストに分けながら、見直していきましょう。
2.採用要件を緩和する
採用単価を抑えるなら、ターゲットに求める採用要件を緩和する方法が効果的です。
当たり前ですがエンジニアのレベルが高ければ高いほど競合は多くなり、そのエンジニアの価値は右肩上がりに上昇していきます。
年収も平均以上となるケースが多く、採用要件が高度であるほど1人あたりの採用単価は釣り上がる傾向が強いです。
たとえばPL・PMといったプロダクトおよびピープルマネジメント経験のあるエンジニアや、Go言語を扱えるエンジニア、ITアーキテクトやデータサイエンティストといった職種は、パイが少ないため採用難易度が高いうえ採用単価も高くなりやすい傾向にあります。
1人あたりの採用単価が高くて困っている場合はとくに、今一度採用要件を見直して緩和を図れないか現場のエンジニアと相談してみましょう。
3.採用手法を見直す
採用単価を抑えるなら、採用手法を見直す方法は手っ取り早くておすすめです。
株式会社マイナビによる「中途採用状況調査2023年版(2022年実績)」を見ると、採用コストの平均相場が高いのは
1位 人材紹介(295.3万円)
2位 ダイレクトリクルーティング(141.5万円)
3位 合同企業説明会(104.8万円)
4位 求人検索エンジン(78.7万円)
5位 求人広告(97.3万円)
といった順で続きます。
なかでも人材紹介では採用者の年収15%が紹介手数料として課される場合が多いため、採用単価が高くなりやすい傾向です。
そのため人材紹介の数を減らしてダイレクトリクルーティングに工数をかけてみる、採用ブランディングを強化して自社採用ページからの直接応募を促進させるなど、他の手段に切り替えてみる方法は効果を得やすいでしょう。
参考:株式会社マイナビ「中途採用状況調査2023年版(2022年実績)」
4.副業・業務委託・フリーランスの採用を行う
正社員という雇用形態にとらわれず、副業・業務委託の形態やフリーランスの採用を行うことで採用単価を抑えやすくなります。
スポットでの採用や週1日〜週5日と柔軟な稼働日数で業務を委託できるため「転職はしないけど副業で関わりたい」「フリーランスで活動している」という優秀なエンジニアに出会いやすく、採用する雇用形態を広げるだけで母集団形成も増幅できる可能性が高いです。
また正社員のようにフルコミットしないことによる業務の質の低下を懸念している方もいるかもしれませんが、レバテックによる「IT副業人材の活用に関する実態調査」を見ると、IT人材に副業として業務を委託している企業の7割が「期待を上回った」と回答しているデータが出ています。
期待を上回ったと感じた理由に関しても「自社の生産性が向上した」「自社で活用できる知見やスキルが習得できた」「自社サービスのDXが進み効果が見られた」など、事業成長に貢献するポジティブな回答が多く見られ、副業人材の活用によって業務の質が向上していることが伺えます。
これまで正社員や契約社員といった雇用形態だけで採用を行ってきた方は、この機会に新たな人材活用の手法を取り入れてみると良いかもしれません。
エンジニアの外注に興味がある方は、下記記事にて外注のメリットとデメリットについて解説しているので合わせて読んでみてください。
▼エンジニアを外注するメリットとデメリットは?相場や探し方も解説
参考:PR Times「IT副業人材を活用する企業、約7割が期待以上の効果を実感」
エンジニアの採用単価を抑えるおすすめの採用手法
エンジニアの採用単価を抑えるおすすめの採用手法は、ダイレクトリクルーティング・SNS採用・リファラル採用の3つです。
採用単価を抑えながら運用するコツも紹介していくので、ぜひ採用活動の参考にしてみてください。
ダイレクトリクルーティング
エンジニアの採用単価を抑えるなら、ダイレクトリクルーティングがおすすめです。
ダイレクトリクルーティングは、直接(ダイレクト)求職者にスカウトメッセージを送付して採用する(リクルーティング)手法のこと。人材紹介のように紹介を待つのではなく、企業側が能動的に自社に合う人材を探して「一緒に働きませんか?」とアプローチしていく点が特徴的です。
直接アプローチをかけることから求職者に企業の魅力や熱意が伝わりやすく、人材紹介では取りこぼしていた優秀層を採用できる可能性が高いうえ、かかるコストも大幅に削減することができます。
ダイレクトリクルーティングにおすすめの媒体に関して中途・新卒ともに下記記事で紹介しているので、ぜひ合わせてご覧ください。
▼ダイレクトリクルーティング主要媒体を比較|中途・新卒別に紹介
SNS採用
エンジニアの採用単価を抑えるなら、SNS採用は効果的です。
SNS採用というのは、Twitter(X)・Instagram・Facebook・TikTokといったプラットフォーム内で、アカウントを作成して投稿の一環として募集を出したり、広告を掲載したりして採用を行う手法のこと。
一般的な採用媒体を使用しないことからシステム自体の運用費がかからず、投稿であれば掲載費用や成功報酬などの費用も一切かからないため採用単価をかなり抑えることができます。
実際の運用方法に関しては、Twitter(X)を例として下記記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
▼Twitter(現・X)での採用活動のメリットとは?運用のポイントや事例とあわせて紹介
リファラル採用
エンジニアの採用単価を抑えるなら、リファラル採用は実効性の高い手法です。
リファラル採用とは、自社の社員や外部パートナーを通じて「自社に合いそうな人材を紹介してもらい選考を行う」手法のこと。
採用媒体にて求人広告を掲載したり、スカウトを送ったり、内定承諾の際には成功報酬を支払うといった運用費・手数料の支払いが発生しないためコストをかなり抑えることができます。
ただしリファラル採用を行っている企業では、社員や外部パートナーが積極的にリファラル採用制度を利用してくれるように、報酬制度(例:紹介相手との食事代を支給、採用された際は10万円〜30万円支給)を設けるのが一般的です。
エンジニア採用におすすめの媒体とコスト相場(費用)
エンジニア採用におすすめの媒体4つとコスト相場(費用)を紹介していきます。エンジニア採用の媒体選びに迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
エンジニア採用媒体 | 料金プラン | 成功報酬 |
ビズリーチ | 4つの料金プラン(掲載期間×スカウト通数)+成功報酬費用 | 年収の15%(※基本) |
Findy | 2つの料金プラン(基本利用料)+成功報酬費用 | 理論年収の30%〜35% |
LAPRAS SCOUT | 2つの料金プラン└初期費用+月額費用(固定)└月額費用5万円+成功報酬費用(年収の15%) | 年収の15%(完全成功報酬の場合) |
Wantedly | 月額料金 | なし |
※費用詳細に関しては各サービスにてご確認ください
エンジニア採用におすすめの媒体については、下記記事でもより詳しく紹介しているので合わせてご覧ください。
▼エンジニア採用を成功させる媒体5つを比較|成功させるコツも解説
1.ビズリーチ

「ビズリーチ」は、ハイクラス・即戦力人材の採用に強い転職メディアです。登録しているエンジニアは若手だけでなくハイレイヤーの方々も多く、優秀なエンジニアとの出会いも期待できるでしょう。
【料金プラン】
プラン | 掲載期間 | 料金・スカウト通数 |
スタンダードプラン | 6ヶ月 | ※要問い合わせ※ |
スタンダードプラン | 12ヶ月 | ※要問い合わせ※ |
プレミアムプラン | 6ヶ月 | ※要問い合わせ※ |
プレミアムプラン | 12ヶ月 | ※要問い合わせ※ |
【成功報酬費用】
基本的に年収の15%
ビズリーチは掲載期間とスカウト通数によって数パターンの料金プランが展開されています。細かくプランが分かれているため、自社の採用予算に合わせて選択できるのもポイントの一つでしょう。
ビズリーチの特徴や上手な活用方法に関しては、下記記事にて紹介しているので合わせてご覧ください。
▼国内最大級のデータベース!ビスリーチの特徴&上手な使い方とは?【スカウトメディア徹底解説】
2.Findy

「Findy」は、スカウト型のハイクラスエンジニア向けダイレクトソーシングサービスです。エンジニアに特化したサービスであり、GitHubの開発履歴をもとにエンジニアスキルを可視化した情報を見ながら自社に合った人材にアプローチすることができます。
【料金プラン】
プラン | 料金 | ターゲット(想定年収) |
ベーシックプラン | ※要問い合わせ※ | メンバークラス〜シニアクラス(年収400万円〜年収700万円) |
プレミアムプラン | ※要問い合わせ※ | ハイクラス(年収600万円〜年収1,000万円) |
【成功報酬費用】
理論年収の30%〜35%
Findyは採用したい人材のレベルによってプランを選択できる点が大きな特徴です。とくにハイクラスを狙いたい場合には、年収600万円〜年収1,000万円辺りのハイレイヤー層に特化して採用を進められるため、他では出会えないような人材との縁もあるかもしれません。
Findyの特徴や上手な活用方法に関しては、下記記事にて紹介しているので合わせてご覧ください。
▼いいね送信で効率的にマッチング!Findyの特徴&上手な使い方とは?【スカウトメディア徹底解説】
3.LAPRAS SCOUT

「LAPRAS SCOUT」は、ITエンジニアに特化したダイレクトソーシングサービスです。独自のハイスキルITエンジニアデータベースがあり、優秀な人材へ直接スカウトをしながら採用を進めていくことができます。
【料金プラン】
プラン | 料金 |
完全月額固定 | 初期費用+月額費用(固定) |
完全成功報酬 | 月額費用5万円+成功報酬費用(年収の15%) |
【成功報酬費用】
「完全成功報酬」の場合、年収の15%
LAPRAS SCOUTは完全月額固定と完全成功報酬の2パターンから選べるため、自社の採用戦略や予算に合わせて柔軟に活用できる点が特徴的です。
LAPRASの特徴や上手な活用方法に関しては、下記記事にて紹介しているので合わせてご覧ください。
▼手厚いサポートも!LAPRASの特徴&上手な使い方とは?【スカウトメディア徹底解説】
4.Wantedly

「Wantedly」は、共感採用を謳い文句とする求職者とのマッチングを図るリクルーティングサービスです。ユーザー数は300万人を突破しており、20代〜30代の若手エンジニアとの出会いも期待できるでしょう。
【料金プラン】
プラン | 掲載期間 | 料金 | スカウト通数 |
ライトプラン | 6ヶ月 | ※要問い合わせ※ | なし |
ライトプラン | 12ヶ月 | ※要問い合わせ※ | なし |
ライトプラン | 24ヶ月 | ※要問い合わせ※ | なし |
スタンダードプラン | 6ヶ月 | ※要問い合わせ※ | 100通 |
スタンダードプラン | 12ヶ月 | ※要問い合わせ※ | 200通 |
スタンダードプラン | 24ヶ月 | ※要問い合わせ※ | 400通 |
プレミアムプラン | 6ヶ月 | ※要問い合わせ※ | 300通 |
プレミアムプラン | 12ヶ月 | ※要問い合わせ※ | 600通 |
プレミアムプラン | 24ヶ月 | ※要問い合わせ※ | 1,200通 |
【成功報酬費用】
なし
成功報酬費用がなく、月額費用のみで運用できるため、自社の採用予算に合わせて利用できるのが大きなポイント。採用単価を抑えたい場合にはうってつけのサービスといえるでしょう。
Wantedlyの特徴や上手な活用方法に関しては、下記記事にて紹介しているので合わせてご覧ください。
▼【企業向け】Wantedly(ウォンテッドリー)とは?効果的な使い方や特徴を解説
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