難しいと言われるエンジニア採用に関して、当記事では「エンジニア採用における重要な4つの課題」と「その対策5選」について詳しく解説していきます。
またエンジニア採用を成功させるコツや昨今のトレンド、採用成功事例なども紹介していくためエンジニア採用に課題を感じている方はぜひ最後までご覧ください。
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目次
エンジニアの採用課題に関わるトレンド
エンジニアの採用課題に関わるトレンドを下記4つの観点から見ていきましょう。
- 人口減少とエンジニア人材不足
- 採用媒体の多様化による求職者の分散
- 出社・リモートなど働き方の多様化
- 技術革新によるエンジニア職種の細分化
採用課題を引き起こしている背景を理解すると、より本質的な対策ができるようになるためトレンドは常にチェックすることをおすすめします。
また最新のトレンドに関しては、下記記事でも詳しく解説しているので合わせてご覧ください。
▼エンジニア採用の最新トレンド解説!成功のポイントやおすすめ媒体6選
人口減少とエンジニア人材不足
少子高齢化社会が進む日本では人口減少が続いており、それによる若者人口の減少を受けて将来的にはエンジニア人材も著しく不足していくことが懸念されます。
経済産業省が発表した「IT人材需給に関する調査」を見ると、2030年時点で最大78.7万人のIT人材不足に直面する可能性があると明記されており、さらなる採用難易度の激化が予想できるでしょう。
採用媒体の多様化による求職者の分散
採用媒体が多様化したことによって求職者が分散し、企業はあらゆる媒体を併用せざるを得ない状況になっています。
以前は求人広告と人材紹介のタッグが一般的でしたが、昨今ではダイレクトリクルーティングも主流になり、ビズリーチ・Green・Findy・Wantedlyなどの各サービスも多種多様です。
一つの媒体に頼った採用活動を行っていると母集団形成ができなかったり、そもそも自社に合う人材がいなかったりと苦戦を強いられる可能性が高いため、複数の媒体を上手に使いこなすスキルは欠かせないでしょう。
しかしその分、採用媒体ごとの特徴を掴んで運用していかなければならず、工数も増大するため採用課題になりやすいのです。
出社・リモートなど働き方の多様化
出社やリモートなど、働き方の多様化が進んだことで新たな採用課題を抱えてしまった企業もあるでしょう。
なぜならリモートワークの環境構築をできず、これまで通り完全出社のスタイルを取っていると、エンジニアに敬遠されてしまい母集団形成をしづらくなる傾向にあるからです。
パーソルホールディングスによる「ITエンジニアのはたらく実態に関する調査レポート」によると、ITエンジニアの理想とするはたらき方に関する質問に対して「リモートワークができる仕事がしたい」と回答した割合が最多という結果も出ています。
エンジニアは他職種と比べて生産性高く働きたい志向を持つ方が多いため、働き方の多様化が広がることで従来の方法では採用活動が鈍化してしまうケースもあるのです。
参考:PR Times「パーソル・データから見るはたらく実態調査」
技術革新によるエンジニア職種の細分化
技術革新によってエンジニアが活躍できる領域が増えると、エンジニア職種の細分化が進んでいきます。
職種が細かく分かれると、その分採用における「エンジニアが持つ技術力の見極め」が難しくなるため採用課題に発展するケースが多々あるのです。
たとえば今では一般的な「フロントエンドエンジニア」という職種も、以前はコーダーが担当していたり、Webデザイナーがフロントエンド構築を担っていたり(もちろん今でもそういった側面はありますが)していて、明確にフロントエンドエンジニアという職種は存在しませんでした。
それがIT市場が成長していくにつれてWebサービスやWebコンテンツの開発が企業にとって重要な役割を果たすようになり、より専門的な技術の必要性・作業領域の拡大を受けてフロントエンドエンジニアという職種が広まっていったのです。
今でこそUI/UXエンジニア、コミュニケーションデザインエンジニアなど、フロントエンドエンジニアのなかでもさらなる呼称が生まれています。
業務が細分化されていることを考えると、今後も時代の進化・ニーズの変化とともに職種が細分化され続けていくことは容易に想像できます。
エンジニア採用における4つの課題
エンジニア採用において、多くの採用担当者が悩みがちな課題を4つ紹介していきます。
- 採用担当者側の知識・スキル不足
- 安定した母集団形成
- 企業と求職者間の条件面のミスマッチ
- 入社後のミスマッチと早期離職
上記4つの事項を確認しながら、改めて自社の採用課題も振り返ってみてください。
1.採用担当者側の知識・スキル不足
エンジニア採用では、採用担当者側の知識・スキル不足が大きな課題となることが多いです。
エンジニアの採用を行うためには、最低限のエンジニアに関する知識が必要となります。たとえばアジャイル開発、スクラム開発、OS、API、SaaS、PaaS、IaaS、Python、Javaなど、そもそも言葉の意味が分からなければ採用活動を前に進ませることができません。
くわえてエンジニアの志向性や興味関心を理解していないと間違った方向でアプローチしてしまうこともあるでしょう。
採用課題を乗り越えるためには、まずは採用担当者の知識・スキル不足の改善は欠かせないのです。
2.安定した母集団形成
エンジニア採用のなかでは、なかなか安定した母集団形成ができず頭を悩ませるケースも多いでしょう。
そもそも「IT人材不足」といわれる昨今では、売り手市場が続いています。
dodaが発表した転職求人倍率レポートでは、IT・通信業界の倍率は「8.85倍」をマークしており、どの企業も苦戦を強いられる状況にあります。
こうした激戦化のなかで母集団を形成しつづけるためには、従来の方法にとらわれず新しいチャレンジを試みたり、RPO(採用代行)の知見を借りたりしながら、PDCAを回し続ける必要があるでしょう。
3.企業と求職者間の条件面のミスマッチ
エンジニア採用をしていると、企業と求職者間の条件面のミスマッチが課題となることもあります。なかでも多いのは、年収のミスマッチと働き方のミスマッチです。
昨今ではエンジニア一人あたりの求人数が9件にのぼるほど売り手市場が加速している側面があるため、他社に年収負けしてしまうケースも少なくありません。
また働き方の多様化が進んだことから、フルリモートを希望するエンジニアも増えているため、「リモートができないなら辞退する」など働き方でのミスマッチも生じています。
企業の都合に沿ってくれるエンジニアを探し続けるのも方法の一つですが、時代の傾向に合わせて柔軟に対応していく姿勢も必要でしょう。
4.入社後のミスマッチと早期離職
エンジニア採用ではせっかく内定承諾を得ることができても、入社後にミスマッチが起こってしまい早期離職につながってしまうこともあります。
たとえば
「新規サービスの開発を任せると聞いていたのに入社してみたら予算都合で既存サービスのリプレイスを担当することになった」
「上司との折り合いが合わずストレスを感じている」
「リモートワーク制度はあるものの入社してみたら機能していなかった」
といったように、仕事内容・人間関係・働き方などあらゆる観点で歪みが生じて早期離職につながってしまうことがあるのです。
ミスマッチが生じてしまうと、採用担当・入社した社員ともに大きな損失を被ってしまうため、誠実に情報を伝えたり、会社見学や現場社員と話す場を設けたりするなどして対策を行うようにしましょう。
エンジニア採用の課題を解決する5つの対策
ここからは、エンジニア採用の課題を解決する5つの対策について紹介していきます。
- 採用担当者のエンジニア知識向上
- 現場エンジニアと連携した人材要件の設定
- 積極的なカジュアル面談の実施
- 労働環境の整備と改善
- 採用ブランディングの強化
課題を解決する過程は一朝一夕にはいきませんが、一つずつクリアしていけば確実に数字にあらわれていくはずです。自社に取り入れられる手法があったら早速試してみてください。
1.採用担当者のエンジニア知識向上
採用課題を解決するためには、まずは採用担当者のエンジニア知識向上は欠かせません。
なぜなら求職者であるエンジニアのプロフィールや実績を見て、自社が求める経験値を持っているのか、どのような経験が活かせそうかを判断する目が必要不可欠だからです。
また面接をする際には、エンジニアが話す内容を理解できなければ、そもそも合否判断をつけることすらできません。
採用担当者のエンジニア知識向上のポイントは、下記記事に詳しくまとめているので合わせてご覧ください。
▼エンジニア採用担当の人事が成果を得るために知っておくべきポイント
2.現場エンジニアと連携した人材要件の設定
エンジニア採用を行う際は、必ず現場エンジニアと連携して人材要件の設定を行いましょう。
どのような人材が足りていないのか、どういった技術が必要なのか、どんな価値観をもった人だと活躍しやすいのか、といったパーソナルな情報は採用担当よりも現場エンジニアのほうが理解しています。
「そもそも現場エンジニアは今、何に困っているのか」という課題を明確にしたうえで、採用ターゲット像の設定・採用戦略を策定すると、本質的に事業を躍進させる採用ができるはずです。
3.積極的なカジュアル面談の実施
エンジニア採用では積極的にカジュアル面談を実施しましょう。
採用活動をしていると、なかなか母集団形成ができなかったり、辞退されてしまったりと採用活動が鈍化してしまうこともあります。
そういった際にとくに効果的なのがカジュアル面談です。
カジュアル面談は選考に関わらず対等な立場で情報交換をする場のこと。求職者も肩の荷をおろしてフラットに話を聞いたり、経験を共有したりしてくれるため、カジュアル面談をきっかけに企業に興味を持ってくれて採用に至るケースも多いです。
工数がかかるデメリットもありますが、転職潜在層に働きかけられるメリットもあるため採用活動に良い影響を与えてくれる可能性は高いでしょう。
4.労働環境の整備と改善
エンジニア採用を成功させるためには、労働環境の整備と改善が必要不可欠です。どれだけ魅力的なプロジェクトや年収を提示しても、労働環境が悪ければ内定を辞退されてしまいます。
とくにエンジニアの場合は、無駄を嫌い生産性の高い仕事を求める方が多い傾向にあるため、アナログ業務が多い・リモートワーク不可・低スペックのマシンしか支給されない等の環境では、競合に負けてしまう可能性が高いです。
労働環境の整備と改善には力を入れていきましょう。
5.採用ブランディングの強化
エンジニア採用の課題を乗り越えるためには、採用ブランディングの強化が効果的です。
採用成功させるためには、エンジニアが「面白そう」「気になる」と興味関心を寄せるようなアセットが欠かせません。
たとえばエンジニア出身の社長が経営している、優秀なCTOが在籍している、先端技術を用いた開発をしている、エンジニア独自の評価基準を設けている等、企業の魅力となる特徴は積極的に発信していくべきです。
またエンジニア採用においては、会社の将来性はもちろんプロダクトの成長性も重視されるため、経営層も巻き込んだ情報発信でブランディングしていくことがポイントでしょう。
エンジニア採用を成功させる手段とコツ
課題を乗り越えエンジニア採用を成功させるためには、採用媒体を上手に使いこなすこともポイントの一つです。
エンジニア採用でよく活用される「ダイレクトリクルーティング・人材紹介サービス・求人広告・リファラル採用」の4つの手段をテーマに、それぞれで成功を導くコツを紹介していくため参考にしてみてください。
また下記記事では、エンジニア採用を成功させるためにおすすめの媒体を比較しながら紹介しています。ぜひ合わせて読んでみてください。
▼エンジニア採用を成功させる媒体5つを比較|成功させるコツも解説
ダイレクトリクルーティング|求職者ごとにスカウト文章を練る
ダイレクトリクルーティングでは、求職者ごとにスカウト文章を練って送付するのが成功の秘訣です。
求職者によって経験してきた業務・環境・技術は異なるためプロフィールや実績をしっかり読み込んで、
- どんな点に魅力を感じてスカウトしているのか
- どういった経験がどのような事業で活かせるのか
- 希望に沿ったどんな経験ができるのか
など、求職者に合わせたメッセージを作成して送付することで、開封率・返信率を高めることができます。
人材紹介サービス|積極的な情報共有を行う
人材紹介サービスでは、人材紹介を行う担当者に積極的な情報共有を行うことが成功を導くポイントの一つ。
人材紹介側はさまざまな企業と契約を結んでいるため、良い人材がいたとしても他社を優先して紹介していたり、そもそも紹介してもらえなかったりすることもあります。
これは人材紹介側がひいきをしているのではなく、単に情報共有不足で「マッチする人材と判断できていなかった」「紹介したいけれど求職者から応募を見送られてしまった」といったケースが往々にしてあるのです。
人材紹介側からすると情報が少ないと判断が難しく、要件が高いほど紹介できる人材も限られてくるため、紹介数は減少しやすくなってしまいます。
そのため紹介数を増やしてもらうためには、企業の魅力や最新情報はどんどん共有するべきです。
プレスリリースはもちろん、採用広報の取り組みで行った記事や動画コンテンツなどを共有して、企業の魅力をしっかり理解してもらいましょう。
そうすることで人材紹介側も求職者に企業を紹介しやすくなるため、結果的に興味をもってくれる求職者を増やすことができるようになります。
求人広告|業務内容のわかりやすさに注力する
求人広告では主に文章だけで求職者に興味を持ってもらわなければならないため、業務内容の分かりやすさに注力するのが重要なポイントとなります。
たとえば「Webサービスのフロント開発」だけでは、Webサービスとは具体的に何を指しているのか、開発の範囲はどこからどこまでなのか、どれだけの権限と裁量があるのか、開発手法や使用言語は何なのか……など、不明点が多く求職者は何をする仕事なのか判断できません。
判断ができないと求職者は応募を見送る傾向にあるため、せっかく面白いプロジェクトを立ち上げていたとしても敬遠されてしまう可能性が高いです。
求職者が入社後に何をするのか実際にイメージができるくらい、詳細に分かりやすく記載していきましょう。
リファラル採用|制度を整えて活発化させる
リファラル採用では、そもそも社員やパートナーが「リファラル採用の制度を活用したい」と思えることが重要です。そのため制度を整えて活発化させる土台づくりが何よりも大切となります。
具体的には紹介相手との食事代を支給したり、紹介した場合・内定となった場合・入社に至った場合に報酬を支払うなど、人材を紹介するメリットを制度として設けるようにしましょう。
また制度を整備するだけでなく、社員に利用してもらえるよう社内周知も時間をかけて行っていく必要があります。
課題を乗り越えエンジニア採用を成功させた事例
ここからは採用課題を乗り越えて、エンジニア採用を成功させた事例を2つ紹介します。
他社の成功事例には自社に取り入れられる考え方や解決策が隠れているケースが多いので、自社の採用課題と照らし合わせながら見てみてください。
- 雇用形態にこだわらない採用スタイルでの成功事例
- インターンシップ制度活用による成功事例
上記2つの成功事例に関して、次項より詳しく見ていきましょう。
雇用形態にこだわらない採用スタイルでの成功事例
エンジニア採用の成功事例1つ目は「雇用形態にこだわらない採用スタイル」で採用成功を生み出したケースです。
エンジニア採用を行う中小企業A社では、母集団形成ができないこと、内定を出しても条件面のミスマッチが多いという採用課題を抱えていました。
なかでも給与面でのミスマッチが多く、他社と比較して提示額が低いことで競合に負けてしまうケースが多々発生している状況でした。
とはいえ年収額のアップは難しいため、現状予算の範囲内で採用を前に進ませる必要があります。
そこで同社では、正社員採用にこだわることをやめて、副業や業務委託など雇用形態を広げた採用活動へシフトしていきます。
結果、雇用形態を拡大したことでアプローチできる求職者のパイが拡大し母集団の増加に成功。さらに副業や業務委託であればスポットで採用しやすいことから条件面もクリアしやすく、自社に必要な人材を短期間で採用することに成功しました。
インターンシップ制度活用による成功事例
エンジニア採用の成功事例2つ目は「インターンシップ制度の活用」によって採用成功を生み出したケースです。
スタートアップのB社ではエンジニアの採用を行いたいものの、そもそも専任の採用担当者がおらず、手探りで進めていかなければならなりませんでした。
知識・経験不足が大きく、そもそもの母集団形成がうまくいかなかったり、採用ターゲットがうまく設定できておらず入社後にミスマッチが発生してしまったりと大きな採用課題を抱えていました。
そこで同社は思い切って、学生に焦点をあてて「学生中心のインターンシップ制度」をスタートさせます。
結果エンジニアにおける高度な知識が不要になったため母集団形成の難易度が下がり、採用の歩留まりが大幅に改善。
またインターンから参加することで社風に馴染みやすくなり、そのまま社員になる人材の定着率が高いという結果も生まれました。
長期的な採用活動にはなるものの費用対効果で考えるとメリットも大きく、採用が安定したことで採用担当者がエンジニア採用に関して勉強できる時間も確保しやすくなったため、より今後の採用活動を発展させるための土台づくりもできるようになりました。
以上2つの事例だけでなく、ほかの採用事例ももっと知りたいという方は下記記事も合わせてご覧ください。
▼エンジニア採用事例8選|成功のコツを知って優秀な人材を獲得しよう
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シリーズC資金調達済みSaaS企業 | エンジニア職種7ポジションの採用を代行。ビズリーチ、Wantedly、OpenWorkリクルーティングなど5媒体を活用して採用支援を実施。 |
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