エンジニア採用が難しい6つの理由とは?陥りがちな罠と、成果を出すためのチェックポイント

2023年は景気後退が懸念されていますが、IT人材の需要は依然として大きく、売り手市場が続いています。企業でもDX推進は急務となり、中途採用を中心にエンジニア採用を強化するケースが増えています。しかし採用担当者からは「エンジニアの採用がうまくいかない」という嘆きの声が多く聞かれます。

この記事では、エンジニア採用を得意とするダイレクトリクルーティングサービス「core scout(コアスカウト)」が、エンジニア採用が困難な理由と今後の採用に役立つ具体的なアドバイスを提供いたします。

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6つの理由から見る、エンジニア採用の難しさ

その1 有効求人倍率の上昇と、IT人材の不足

厚生労働省によると、2022年11月の有効求人倍率(季節調整値)は1.35倍で前月と同水準、新規求人倍率(季節調整値)は2.42倍となり、前月を0.09ポイント上回っています。倍率が1を上回れば求職者の数よりも人を探している企業数が多いことを示すため、業界にも寄りますが、求人数の微増が見て取れます。

ここ数年で、テレワーク推進やクラウドサービスの利用拡大、対面型サービスから非対面型サービスへの移行に伴うテック系企業の成長が進みました。デジタル省庁が設立され、ICT投資も活発化しています。そのため急な需要に対するエンジニア不足は顕著となり、経済産業省は2030年のIT人材の需要ギャップは最大で約79万人になるというデータを出しています。エンジニア採用は当面の間、難しい状態が続くと予測されます。

その2 企業が求める条件と求職者が求める条件のミスマッチ

企業とエンジニア間で、給与水準や待遇条件などの意識差が大きくなりつつあります。特にエンジニア向けの仕事環境や教育体制の整っていない中小企業では、採用ニーズはあれどエンジニア経験者の求める条件を提供できず、内定承諾まで至らないケースが多く見受けられます。

給与・待遇面の分析不足や経営層の理解不足が続けば、競合他社にも負けてしまい、優秀な人材はなかなか見つかりません。

その3 働き方の多様化

コロナ禍の影響もあり、ビジネスマンの求める就業形態は大きく変化しています。特にPC環境が整っていれば働く場所を選ばないエンジニアにとって、フルリモートフレックスは必須条件に近くなっています。

フリーランスエンジニアも増えており、技術力が高いエンジニアほど正規雇用されずに業務委託として開発を請け負うようになってきました。正社員エンジニアを採用したいなら、キャリア形成の観点からも「副業OK」とする必要が増しています。環境整備できていない企業は、ますますエンジニアから敬遠されると考えられるでしょう。

その4 トレンドの移り変わりが早く、企業の採用要件に合わなくなりがち

開発言語、OSやデータベース、開発手法などの技術トレンドの移り変わりはとても早くなっています。そして成長意欲のあるスキルの高いエンジニアほど、新しい技術に触れられる環境やスキル習得に貪欲です。

そのため同じ条件の求人であれば、人気の技術を使っている企業を選ぶでしょう。採用担当者には、自社の開発環境がエンジニアにとって魅力的かどうか客観視できる力、そして常にトレンドを意識しながら採用施策を考えるという力が求められます。

その5 採用手法やチャネルが多岐に渡り、工数がかかる

社会の情報化が進むにつれ、採用チャネルは複雑化しています。求人雑誌しか存在していなかった時代は終わり、求職者はネット情報や複数の媒体、SNSの口コミ等を自在に取得して転職判断を進めています。

求人メディアや人材紹介がなくなったわけではありませんが、企業から求職者へ直接アプローチするダイレクトリクルーティングも一般的になってきました。

ブログなどのコンテンツを利用した採用広報や、紹介によるリファラル採用を進める企業も増えています。これらは採用コストを下げマッチ度を高めるために有効な施策ですが、中長期的な目線で候補者をデータベース管理しなくてはいけません。リソース不足や管理不足ではきめ細やかな採用活動が行えず、ますます採用難に陥る可能性があります。

その6 技術力の差を見極める目が必要

人事担当などの非エンジニアが採用業務を行っている場合、候補者の技術力の見極めもハードルになります。最近は候補者のGitHubアカウントで書類選考の通過可否を判断する会社も増えてきました。GitHubによるOSS活動を評価するアルゴリズムを取り入れている採用サービスも存在します。

もちろんGitHubだけでの判断にはリスクも伴います。最近ではQiitaやZenn、Twitterやブログなどで技術者としての発信をしているエンジニアも増えてきました。しかし社内で正しいスキル判断ができなけば、ほしい人材を見つけることも、適切なオファーをすることもできません。

エンジニア採用で陥りがちな罠

ここまで、エンジニア採用が困難な理由を解説してきましたが、ここからは、採用率を下げている罠についてお話しします。

陥りがちな罠(1) 採用市場と乖離した「青い鳥」を追いかけ過ぎている

仕事が逼迫した現場には、教育コストをかけずに即戦力が欲しいという現場エンジニアのニーズがありますが、そのようなフルスタックの即戦力エンジニアはそもそも稀少です。他社からもスカウトが届くような稀少人材に振り向いてもらうには、条件の打ち出しは弱くないか、現場エンジニアのニーズに引きずられていないかを確認してみてください。

仮に「フロントエンド工数が割けてない」という課題があるときは、「フルスタックではなくてもフロント経験があるエンジニアを採用してキャッチアップしてもらう」など、視点を変えれば母集団を増やすことも可能です。

そのフローの中で、「社内の受け入れ体制がそもそもよくない」など、別の課題が顕在化してくるかも知れません。

陥りがちな罠(2) 適切なデータベースにアプローチできていない

前述の通り採用チャネルは複雑化しています。これまでの採用手法に固執し、既存のデータベースだけを利用していれば、人材プールとしての母集団が形成できません。データベースがうまく機能していなければ、現場との候補者のペルソナや比較ポイントのすり合わせも難しくなります。

陥りがちな罠(3)ペルソナにあったスカウト文面が作れない

エンジニアの元には日々多くのスカウトメールが届きます。条件に合う人材に画一的なメールを送るだけでは、候補者に適切な動機付けができません。

スカウトメールの返信率が低いという明確な課題が見えているなら、今一度自社に必要な人材のペルソナが求める要素を洗い出し、条件面と感情面の両方で心を動かすような文面の作成をおすすめします。

陥りがちな罠(4)エンジニアが魅力に感じるPRができていない

福利厚生などの一般的なメリットをいくら書いても、それがペルソナの志向性に合っていなければ採用は苦戦するでしょう。

自社の特徴アピールより、給与や待遇、開発環境などエンジニアの検討材料になり得る要素をしっかり書き、まずは目に止めてもらう状態をつくる必要があります。

エンジニア採用を成功させるためのチェック項目

これまでの内容を踏まえ、エンジニア採用で成果を出すためのチェック項目をまとめました。

引く手あまたのエンジニア採用では、行動数と丁寧なアプローチの両面が必要です。
以下を参考に、「なかなか採用できない」という現状を打破してみてはいかがでしょうか。

  • リモートワークやフレックス制、副業OKなどの制度を整える
  • 市況感を踏まえた採用基準・待遇を決める
  • スキルを見極めるノウハウを社内外で構築する
  • スカウトメールを工夫し、返信率を上げる
  • 複数の採用チャネルを利用し、人材データベースを構築する
  • 応募~選考のリードタイムを短縮し、候補者を逃がさない
  • 条件やスキルだけではなく、ひとりひとりに合った動機づけを重視する

また、エンジニア採用においては、人事と現場のエンジニアが一体となり採用活動を進めていくことが非常に重要です。
詳細は、こちらのインタビューでもご紹介していますので、ぜひご覧ください。

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