こんにちは!シンギョクでスカウトRPO「core scout」の運営面を管掌している山田です。
採用は人事だけでなく現場を巻き込んで行うものという考えはスタートアップ、ベンチャーを中心に浸透しつつあります。ただ、現場メンバー、特にエンジニアとの貴重な打ち合わせの時間を有意義に使うことができているケースは意外と少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、”現場エンジニアとの会話内容”というテーマを取り上げたいと思います。
もう少し具体的なシーンとして、”ある特定ポジションの採用に向けた現場エンジニアとの打ち合わせの場”を想定し、打ち合わせを通じて何を明らかにすべきか、どのように意見を引き出すかなどについてのポイントをお伝えします。
どのような求人票やスカウト文面にすべきかというような、より具体的なアクションへの落とし込み方までは言及しませんのでご了承ください。
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目次
採用背景の解像度を高めることが一番大事
いきなり具体的な業務内容や採用要件を聞くのは非推奨
前提として、「そもそもなぜ採用するのか?」ということが明らかになっていないと、そのポジションの業務内容や採用要件が適切なのかどうかを考える軸がありません。
例えば、採用要件が高く市場とミスマッチだからと言って安易に要件を緩和する方向で話を進めると、採用はできるかもしれませんが、企業側の本来の期待値と個人のスキル・経験にギャップがあり、活躍しきれないまま早期退職してしまう……などという事態になりかねません。
これは採用に限らないコミュニケーション全てにおいて言えることですが、まずはWhyをすり合わせた上でWhat、Howのような具体の話を進めていくことで、認識の齟齬による採用活動の機会損失や非効率を防ぐことができるようになります。
採用背景をどのように聞くかも大事
現場エンジニアに対して「採用背景は何ですか?」と聞いたとしても、「増員です」という抽象度の高い回答が返ってくることがあります。
聞いた内容をそのまま求人票やスカウト文面に記載したところで、それを見た求職者は何を思うでしょうか。「なぜ増員する必要があるのか?どのような課題を抱えており、増員することで何を解決したいと思っているのか?」のような具体的な内容が知りたいと思うはずですよね。
日々採用活動を行っている人事はまだしも、現場エンジニアで採用業務がメインの方はほとんどいないと思います。ここは人事としての腕の見せどころで、採用背景の解像度を高めるための問いかけを積極的に行っていきましょう。
その際、聞き方のコツとしては「Why?」を最低5回繰り返し聞いてみることをお勧めします。元はトヨタ生産方式の一環として生まれた内容ですが、採用領域でも応用できるとても便利な型です。
なぜ採用するのか?
なぜその役割が戦略上必要になのか?
なぜ現在の社内リソースで解決できないのか?
なぜアウトソーシングではなく増員したいのか?
なぜ"今"採用したいのか?
最初から採用背景が具体的になっていたり、人事や現場エンジニアが採用背景を明らかにするプロセスに慣れているような場合は別のやり方でも構わないと思いますが、慣れないうちはぜひこの型を実践してみてください。
様々な問いを投げかけ、現場エンジニアと共に採用背景の解像度を高める事ができれば、採用成功に向けて大きく前進したと言えるでしょう。
採用背景が明らかになった後に聞きたい内容
ここからようやく具体的な話に移ることができます。
求人票やスカウト文面作成において、以下のような項目は最低限明確にしておきたいところです。
業務内容(Must、Want、やらないこと)
採用要件(必須、歓迎条件、NG要件)
採用ターゲットに訴求できる魅力や特徴
その際、まずは業務内容からすり合わせていくことをお勧めします。業務内容をできるだけ詳細な範囲まで落とし込むことで、採用要件や求職者に訴求する魅力、特徴が自ずと明らかになってくることが多いためです。
また、業務内容では「こういうことをやってほしい」だけではなく「これはやらなくても良い」、採用要件では「こんな人が欲しい」だけではなく「こういう人は違う」というように、逆の認識も合わせられると良いです。
より採用ターゲットが人事と現場エンジニアの間で明確になり、要件とマッチしない方にスカウトを送ったり、書類通過させて面接案内したりというケースを防ぐことができます。
現場エンジニアと円滑にコミュニケーションを取るためのポイント
ここまであまりエンジニアポジションに限らない内容となっていましたが、専門的な知識が求められることも多いエンジニアポジションをヒアリングする上でのポイントについていくつかお伝えします。
分からないことは正直に伝える
人事として最低限のエンジニアリングに関する知識は身につけておくべきですが、ヒアリングを行う過程で分からない単語や聞き慣れない表現に出会ったら、正直にその旨を伝え、理解できるまで粘り強く聞いてみましょう。
最初はうまく理解できなかったとしても、エンジニアは、その業務特性上、論理立てて表現することに長けた方が多いです。会話を重ねれば必ず理解できるようコミュニケーションを取ってくれるはず。
分からないことを過剰に後ろめたく思って分かったふりをするよりは、思い切って聞いてみた方が理解も早いですし、「ここは確かに分かりづらい表現なので別の言い方に変えてみよう」など新しい気づきが生まれるかもしれません。
他のポジションに置き換えて考えてみる
例えば、バックエンドエンジニアの採用要件として「実装ができるだけでは不十分」というフレーズが出てきたとします。その理由や背景を明らかにすることはもちろん必要ですが、自身のエンジニアリングに関する知見が浅い場合、どの程度のレベル感の求職者を求めているのかはイメージしにくい部分があるのではないかと思います。
その場合は、人事や営業など自身と馴染みのあるポジションに置き換えて考えてみる事をお勧めします。先の例を人事に置き換えると、「実装=求人票作成やスカウト送信などの足元の採用実務」となり、「行動ができるだけで戦略や計画を考えられる人でないと難しいのかもしれないな」と予想を立てた上でコミュニケーションを取ることができます。
仮説を持って質問する
現場エンジニアの言っていることがよく分からないといって、なんでもかんでもオープンに質問しすぎるのは良くないです。受け手側の負担も大きいですし、抽象的な意見しか引き出すことができない可能性もあります。
例えば、「的外れかもしれないけれど、自分はこう思っているが認識は合っているか?もし違っている場合、その理由や背景を教えてほしい」というように聞くことで、受け手側も答えやすく、且つ聞き手が欲しい回答をより具体的に得やすいという様々なメリットがあります。
また、事前に仮説を考える過程でエンジニアリングについて調べるため学びのスピードも早まり、一石二鳥です。
現場エンジニアから頼られる人事になろう
人事は採用のプロですが、エンジニアリングに関する知見は浅いことが多いです。一方で、現場エンジニアは、エンジニアリングのプロですが、採用に関する知見は浅いことが多いです。そのような中で、人事と現場エンジニア間で良質な協力体制をいかに築くことができるかが重要です。
そもそも、一口にエンジニアリングと言っても、開発と採用で必要になる知見や情報は全く異なります。
貴重な打ち合わせの場を全てを現場任せにするのではなく、「採用成功」という目標の達成に向けて必要な議論ができるよう、採用のプロとして人事が場づくりに励むべきです。 現場エンジニアから頼られる人事として活躍できるようになりましょう!
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