エンジニア採用担当の人事が成果を得るために知っておくべきポイント

エンジニア採用で人事が成果を生み出すためには、必ず押さえておくべきポイントがいくつかあります。

当記事では、成果を生み出している人事が採用成功に向けてやっていることや、最低限勉強するべきエンジニア関連の知識について解説していきます。またエンジニア採用の成功事例も紹介するので、参考にしながら早速採用活動に取り入れてみてください。

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エンジニア採用が難しいと感じる理由は?

エンジニア採用が難しいと感じる人事が多い理由には、「経験スキルの見極めが難しいこと」や「扱う採用チャネル数の増大によるリソース不足」といった点が挙げられます。

もちろん有効求人倍率上昇による採用難易度の高まりや、移り変わりが早いIT業界のトレンドを掴めず求められる採用要件を提示できないなど外部要因の影響もありますが、内部で苦戦を強いられているケースは多いです。

部署ごとの課題によって必要な人材要件は異なるうえ、求職者のエンジニア一人ひとりも経験してきたプロジェクトや環境・スキルセットや価値観は大きく異なります。

自社に合うエンジニアであるかどうかを見極めるためには、相応のエンジニア知識や現場との連携は欠かせませんが、それらを身につけるのは一朝一夕ではいきません。

さらに昨今では求人広告・人材紹介・ダイレクトリクルーティング・リファラル採用・SNS採用など、採用手法も多様化しており、1つの採用チャネルだけでは良い人材と出会うのは難しくなってきています。

それぞれの採用チャネルを運用・管理して成果を上げるには、それなりの人員と工数が必要となるためリソース不足に陥ってしまう場合も多いのです。

エンジニア採用が難しい理由について、より詳細に知りたい方は下記記事も合わせてご覧ください。

▼エンジニア採用が難しい6つの理由とは?陥りがちな罠と、成果を出すためのチェックポイント

エンジニア採用成功に向けて人事がやるべき4つのこと

エンジニア採用を成功させるために人事がやるべき重要な事項は下記の4つです。

  1. 社内エンジニアを巻き込める体制をつくる
  2. 採用計画・ターゲット設計をエンジニアと一緒に行う
  3. 具体性のある募集要項を作成する
  4. 自社に合った採用チャネルを決定する

上記4つを行うと採用の質が高まりやすくなるので、読みながら自社の採用活動を振り返ってみましょう。

1.社内エンジニアを巻き込める体制をつくる

エンジニアを採用をする際には、必ず社内エンジニアを巻き込める体制をつくりましょう。

今チームに必要な技術力や経験値を1番理解しているのは、現場で働いているエンジニアです。

人事が一方的に必要な人材を仮定して進めてしまうとポイントのずれた人材を採用してしまい、かえって現場の負担が増えてしまうケースは少なくありません。

社内エンジニアに採用に関わってもらうため、チームに必要な人材を獲得できること、採用成果が生まれれば事業もスケールしやすくなることなど、メリットを具体的に伝えながら「採用を自分事化」できるよう体制を整えていきましょう。

体制づくりに際して、エンジニアと円滑なコミュニケーションを取るためのポイントは下記記事をご覧ください。

▼エンジニアと何を話す?頼られる人事になるために、押さえておきたい具体的ポイント

2.採用計画・ターゲット設計をエンジニアと一緒に行う

採用計画・ターゲット設計において、現場の声は非常に重要です。

  • 今エンジニア組織にはどんな課題があるのか
  • どんな人と一緒に働きたいのか
  • どんな役割を担ってもらいたいのか
  • 採用にあたって絶対に必要な経験スキルなにか
  • 採用にあたって必須ではないが、あると尚良い経験スキルはなにか

など、現場エンジニアの声をしっかりと聞く機会を設けて、組織の課題や今後の展望を鑑みながら具体的な採用計画やターゲット像を突き詰めていきましょう。

現場の声を取り入れることで、“ズレのない”採用活動を行いやすくなるため、事業成長に貢献する人材を採用できるようになります。

3.具体性のある募集要項を作成する

エンジニア採用を成功させるためには、具体性のある募集要項の作成は欠かせません。

たとえば応募条件の欄に「何かしらの開発経験がある方」と記載するのは、抽象的すぎて求職者のエンジニアからすると、企業がどんな人材が欲しいのか想像しづらく、自身の経験が活かせるのかどうかも判断できません。

それによって「よくわからないから応募を見送ろう」と機会損失につながってしまう可能性もあるでしょう。そのため「静的型付け言語での開発経験がある方」「JavaScriptでの開発経験がある方」のように、具体的な表現を使用することが望ましいです。

業務内容やプロジェクト内容、参画する部署やチームに関してなども、できるだけ具体的に情報を記載するようにしましょう。

4.自社に合った採用チャネルを決定する

「エンジニア」といっても、企業によって求める経験値やスキル・分野、価値観などは異なります。そのため自社が求めるエンジニアを採用できる「採用サービス媒体」を選ぶことも重要です。

採用手法特徴サービス(一例)
ダイレクトリクルーティング企業から求職者に直接スカウトでアプローチできる採用手法・Findy・LAPRAS SCOUT
人材紹介人材紹介事業を運営する企業からマッチする人材を紹介してもらう採用手法・リクルートエージェント・レバテックキャリア
求人広告転職サイトに求人を掲載して自己応募を募る採用手法・Green・Wantedly
リファラル採用自社で働く社員や外部パートナーなどから人材を紹介してもらう採用手法-

採用手法によってサービスはさまざまにあるため「どの採用手法で、どのチャネルを活用したら、自社が求めるエンジニアを採用できるのか」を考えていきましょう。

検討する際には下記のエンジニア採用におすすめのチャネル比較記事がおすすめです。合わせてご覧ください。

▼エンジニア採用を成功させる媒体5つを比較|成功させるコツも解説

エンジニア採用をする人事が勉強するべきエンジニア関連知識

エンジニア採用をするためには、人事もエンジニア関連の知識を身につける必要があります。

エンジニアと話をする時、履歴書や職務履歴書を見て判断する時、スカウト文章を作成する時など、そもそもエンジニアの基礎知識がなければ業務はなかなかスムーズに進みません。

ですが知識を身につけることで自社に合うエンジニアかどうか判断できるようになったり、魅力的なスカウト文章を書けるようになったりと、採用成功に近づけるチャンスは拡がっていきます。

少しでもエンジニア採用を成功させるため、下記事項についてコツコツと勉強を進めていきましょう。

  1. エンジニアの職種を理解する
  2. エンジニアの役職を理解する
  3. プログラミング関連の知識を知っておく
  4. エンジニアのよくある転職理由を把握する
  5. エンジニアが求める働き方や志向性を把握する

また下記記事では0からエンジニア採用の知識を学ぶ際に役立つ書籍の紹介を行っているので、当記事と合わせて確認してみてくださいね。

▼0からエンジニア採用の知識を学ぶには?実体験&おすすめ書籍もご紹介

エンジニアの職種を理解する

エンジニア採用をする人事なら、エンジニアの職種を理解できるようになりましょう。

「エンジニアを採用したい」といっても、何を担うエンジニアなのかによって職種はさまざまに分かれます。

まずは職種ごとの違いを知って、自社が採用すべき職種はどれなのか判断できる程度の知識を身につけましょう。

<エンジニア職種の一例>

  • プログラマー
  • フロントエンドエンジニア
  • バックエンドエンジニア
  • アプリケーションエンジニア
  • QAエンジニア
  • サーバーエンジニア
  • ネットワークエンジニア
  • データベースエンジニア
  • セキュリティエンジニア
  • 社内SE(System Engineer)
  • SRE(Site Reliability Engineering)
  • データサイエンティスト

エンジニアの役職を理解する

エンジニア採用の人事であれば、エンジニアの役職を理解することは重要です。

採用のなかでは、リーダー経験やマネジメント経験のある人材を採用したい場合もあるでしょう。その際には、経験スキルの判断はもちろんのこと、そもそも役職経験があるかどうかも判断材料の一つになります。

とくにエンジニア組織においては、部長・課長といった一般的な名称は少なく「テックリード(リードエンジニア)」「プロジェクトリーダー(PL)」「プロジェクトマネージャー(PM)」「プロダクトマネージャー(PdM)」といった呼び方をする場合が多いです(※名称は一例です)。

またそれぞれの役職がどんな役割を担っているのかを知ることで、採用の質も高まっていきます。

プログラミング関連の知識を知っておく

エンジニア採用を成功させるためには、人事のあなたもプログラミング関連の知識を学んでおきましょう。とはいえプログラミングできるレベルまで習得する必要はありません。

採用活動をスムーズに進めるために必要な「開発用語」を知ることが大切です。

たとえば海外旅行をする際、ネイティブに英語を話せなくても簡単な英単語や文法を知っていれば、標識や看板を見て行きたいところに行くことができますし、現地の人と意思の疎通もできるようになりますよね。

こういったニュアンスと同じで、プログラミングに関する知識を知っておくだけで採用の質が高まることはもちろん、人事としての市場価値も高まっていきます。

フロントエンド、バックエンド、アプリ、サーバー、QA、JavaScript、Ktolin、Swift、フレームワーク、.NET系、ライブラリ、スクラムなど、「よく分からない」と思う用語が出てきたら調べる癖を身につけましょう。

エンジニアのよくある転職理由を把握する

エンジニア採用の人事として、エンジニアのよくある転職理由は必ず把握するようにしましょう。

転職市場にいるエンジニアは「なぜ転職を考えているのか」を知ることによって、どんな風にアピールすると母集団形成ができるか、どんな待遇を整備すると入社意向度が高まるか、など予測と検討をしやすくなります。

たとえば「レバテックキャリアによるエンジニア転職意識調査」を見てみると、エンジニアが転職を決意した理由のトップ5は下記の通りです。

  • 1位:収入アップのため(42.4%)
  • 2位:会社や業界の将来性に不安を感じて(22.4%)
  • 3位:キャリアアップのため(16.5%)
  • 4位:技術スキルが伸ばせないと感じたから(14.7%)
  • 5位:休日出勤や残業が多い(13.5%)

転職したいエンジニアがどんな不満や不安を抱えているのか、定期的にウォッチするようにしましょう。

ちなみに上記のような実態調査資料の活用も良いですが、実際に採用活動をするなかで多くのエンジニアと会い、直に話を聞くのもベストな方法です。

カジュアル面談など選考を介さない場では素直に話してくれる求職者も多いので、「エンジニアのことがよく分からない」という時こそ実際に話してみると良いでしょう。。

参考:PR Times掲載 レバレジーズ株式会社「レバテックキャリアによるエンジニア転職意識調査」

エンジニアが求める働き方や志向性を把握する

エンジニア採用を成功させるなら、人事としてエンジニアが求める働き方や志向性を把握するのは大切です。

たとえばエンジニアは、無駄を省いて生産性高く働きたい志向性の方が多いです。

実際パーソルホールディングスが実施した「理想とするはたらき方の調査」では、ワークライフバランスや安定した収入を押さえ、「リモートワークができる仕事がしたい」と回答した割合が41.3%と最多である結果が出ています。

さらにFindy株式会社が行った「エンジニアの転職と働き方に関する意識調査」では、転職の決め手として重要な要素1位が「リモートやフレックスなどの働き方が理想に合う(27.2%)」、次いで「事業のプロダクトや将来性(23.0%)」という結果も出ています。

以上を見るだけでもエンジニアにとって、安定した収入や事業・プロダクトよりも「働く環境」がかなり重視されていることが分かるでしょう。需要に合った環境を整備することで、理想の人材を採用しやすくなる可能性が高いため見直してみることをおすすめします。

参考:パーソルホールディングス「パーソル・データから見るはたらく実態調査」

参考:Findy BLOG「いま、エンジニアが働きたい企業とは?300名に調査した上位22社を公開」

人事の現場巻き込み力によってエンジニア採用に成功した事例

ここからは、具体的なエンジニア採用成功事例を2社紹介します。

  1. 株式会社FOLIO
  2. 株式会社グロービス

いずれの企業も人事が「現場エンジニアを巻き込む力」を発揮したことで成果が生まれています。現場エンジニアの巻き込み方や採用活動の進め方の参考にしてみてください。

株式会社FOLIO

金融機関向けSaaSプラットフォームやAIを活用したロボアドバイザーなど、FinTechを起点に事業展開する株式会社FOLIO。

同社の採用成功の秘訣は、現場が採用を「自分事にする文化」が根付いていることです。実際にエンジニア採用では、現場エンジニアが率先して同社に合う求職者を選定し、人事側も定期的にスカウト状況を現場に共有するなど、連携した採用活動を行っています。

なかでも現場を巻き込む際に注意している点は、現場に依存しない安定した母集団作りや人事から採用戦略や採用戦術を立案する体制を構築して進めていくこと。

ポジションへの理解が深い現場の感覚は重要ですが、採用市場の理解や全体を俯瞰する力・ロジックは人事に強みがあります。

そのため採用市場の情報や同社にとって適切なブランディングを共有するなど、PM的な役まわりで現場と人事のバランスを取りながら採用成功を生み出し続けています。

株式会社FOLIOの採用事例について、より詳しく読みたい方は下記も合わせてご覧ください。

▼人事の役割は「機会創出」。100人の壁に向けた採用への熱い想い【株式会社FOLIOさま】

株式会社グロービス

ビジネス教育・研修事業を展開する株式会社グロービスでは、採用は「現場と人事のキャッチボール」と定義し、社員全員が組織づくりを「自分事」として捉えて活動を進めています。

そのため同社では「こんなポジションが必要」「こういう人材が欲しい」という声が、常に現場から上がってきます。

しかし人事はあくまでも、その声を聞いて「一緒にやりましょう」と協力する立場。人事も現場も「採用に関してマイボールを持っている」という意識が成果を生み出す起点になっているのでしょう。

またエンジニア採用では、エンジニアのプロダクトオーナーが「組織をどうしていくか」という段階から検討を重ね、人事と共に採用を行っている点も同社の特徴の一つでしょう。

採用フローに関してはできるだけ現場の負担を少なくすることを重視して、スカウト後の評価や面談をエンジニアに任せ、人事はPDCAを回すための数値管理やスカウト作成や送付を行うなど役割分担をして進めています。

数字を元に現場と話し合うことで、採用課題を具体化して都度振り返りを行いながら採用成功を生み出し続けています。

株式会社グロービスの採用事例について、より詳しく読みたい方は下記も合わせてご覧ください。

▼メンバーの主体性を引き出すエンジニア採用とは?現場とHR部門の絶妙な関係の築き方【株式会社グロービスさま】

エンジニア採用にお悩みの方はcore scoutへ

「エンジニア採用がうまくいかず悩んでいる」「エンジニア採用を任されたけれど知見がない」など、採用にお困りの人事の方は「core scout」にご相談ください。

core scoutはダイレクトリクルーティングの運用代行サービスです。とくにエンジニア採用に強く、採用の戦略立案、求人やスカウトの作成や運用、改善施策提案、日程調整などのオペレーション支援や内製化支援まで、ご要望に合わせて柔軟な支援を行っています。

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