メンバーの主体性を引き出すエンジニア採用とは?現場とHR部門の絶妙な関係の築き方【株式会社グロービスさま】

組織が大きくなる過程で、採用業務をどう仕組み化していくか。採用担当者の永遠の課題でもある「自社の最適解の発見」に真摯に取り組む、株式会社グロービスのおふたりにインタビューを行いました。

今回お話をお聞きしたのは、株式会社グロービス・デジタル・プラットフォーム部門People Successチーム責任者の本田耕一さまと、同部門VPoEの末永昌也さまです。※以下敬称略

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採用は現場とHRのキャッチボール。目指すは現場負担の少ない採用フロー

ーーグロービスでは人事部は部門ごとにあるのか、それとも人事部が全体を管理しているのか教えてください。

本田
グロービス全体の人事部はありますが、各部門がボールを持とうというのが会社ポリシーです。部門ごとの採用を管轄するHR部門では、その部門の採用管理を行い、現場が配置・育成・評価を行いやすい環境を整えています。

本田 耕一氏
株式会社グロービス デジタル・プラットフォーム部門 People Successチーム責任者
グロービス経営大学院のマーケティング担当マネジャー、代表室の広報業務担当マネジャー、経営管理本部のエンジニア採用戦略立案などに従事した後、デジタル・プラットフォーム部門に移り、採用だけを目的にしない組織成長を導くための人事的組織を組成。
ワークエンゲージメントの把握や経営管理なども視野に入れた組織づくり全般に携わる。

本田
私は現在、エンジニアとビジネス職両方で採用を見ていますが、 ビジネス職は複数部門とのやり取りや連携が必要なため、採用もHR部門が主導することが多いですね。採用に関する企画などはHRと一緒に行っています。

末永
エンジニア採用はチームリードで進む部分も大きいです。プロダクトオーナーにも組織をどうするかというところまで含めて考えてもらっており、私たちは最終的な調整や全体の方針のすり合わせで入る程度です。完全なボトムアップというわけではないのですが、できるだけチームに権限移譲しています。

末永 昌也氏
株式会社グロービス デジタル・プラットフォーム部門 VPoE

グロービス学び放題等の立ち上げに関わり、現在はグロービス・デジタル・プラットフォームにおける開発統括を担当。
プロダクト開発ではなく組織設計や採用にもかかわり、組織拡大の課題を早期発見し、ミッションビジョンバリューを実現するための役割を担っている。

本田
現在、会社全体の採用計画としては正社員40数名のうち、 ビジネス職とエンジニア職で半々くらいですね。 加えて業務委託で30人月程度という計画を立てています。

ーーさまざまな職種の方を採用するにあたり、どのような採用チャネルをお使いですか?

本田
会社全体ではエージェント経由が多く、7~8割を占めています。特にビジネス職では未だエージェント経由が多いですね。リファラルや直接応募も1割程度あります。最近少しずつダイレクトリクルーティング経由も増えてきましたね。それでもまだ1割程度です。

エンジニア職では、エージェント6割、リファラル1~2割、ダイレクトリクルーティング2割、直接応募1割程度でしょうか。

ーー媒体運用で感じた課題をお聞かせください。

本田
採用には相当な手間とコストがかかりますよね。大手サイトで1000人にスカウトを送ってやっと2、3人から返信が来るというプロセスに、相当な社内リソースを費やしていました。しかし外部委託するにも課題はあります。我々の組織や文化を理解いただけないとミスマッチが起きてしまうため、外部委託がなかなか進みませんでした。

採用代行の運用経験もありますが、なかなか洗練された方法が確立できず導入が遅れたという面はあります。それから担当者の方がどんどん変わってしまう。最初に担当してくれた方がよくても、担当変更後に質が落ちたと感じることもありました。会社理解と技術理解の両方をキープいただけないと、現場エンジニアの工数がかかってしまうんですよね。

ーーリファラルでの採用は、増えているのでしょうか。

本田
以前は今よりも多く、3割程度がリファラル採用でした。それを推進する旗振り役のような方もいて活発だったのですが…新型コロナの流行以降は少なくなりましたね。理由はいくつかありますが、飲み会などでの人材交流が減ったことや、リモートワークが増えたことで顔を合わせる機会が減り、他部署でどのような人材を求めているかの解像度が下がったことも挙げられます。紹介は思った以上に少ないですよ。

ーーそうなれば、企業側から候補者に幅広くアプローチできるダイレクトリクルーティングのメリットが活きてきますね。

本田
現場の負担を減らしながら採用活動の質をキープする目的では、とてもよいですね。私たちと同じ目線でスクリーニングしていただければ現場の採用工数は減りますし、アプローチ量も担保できます。本当は社内に、質と量のバランスを取れる担当者がいればいいのかも知れませんが、現状は外部にお任せしたいです。

組織づくりを「自分ごと」にできるエンジニア組織

ーーエンジニア採用では現場エンジニアの巻き込みが大切といわれます。グロービスではどのような工夫をされていますか?

本田
先ほども申し上げたように、あくまでスタンスは「採用は部門の仕事」なので、HR部門が率先して現場を巻き込みにいくわけではありません。「こんなポジションが必要だ」「こういう人材が欲しい」の声は常に自部門の現場から上がってきます。HR部門はその声を聞いて、一緒にやりましょうと協力し合う立場です。従って、そもそも現場マネジャーを中心に、採用にマイボール意識があります。

末永
初期の頃からHR部門と我々の部門で2週間ごとにミーティングを行い、採用に向けての試行錯誤を進めていました。だから今でも「人事が採用してくる」というスタンスではないですね。一緒に働く人のことですから、現場のこだわりも強いですし。

本田
巻き込みという点でもうひとつ。組織づくりに関心が薄いエンジニアは、そもそも採用していないという強みがあります。実際、チームの成長を自分たちで導き、組織貢献したいという意識のあるエンジニアが多いです。一方で、協力的だからこそコミュニケーションを含め、採用で無駄な負担をかけたくないという思いはあります。

末永
現場からは「採用は大変」という声も出てきますが、そこは我々でしっかりケアをすべきだと考えています。

ーー現場の方が「大変」と感じていらっしゃるのは、どのような部分か具体的にお聞きしたいです。

本田
たとえば候補者のピックアップはできてもスカウト文章が書けない、などがあります。候補者の心を動かす文章を書くには、候補者を選定するのとは違う能力が必要ですよね。それからオペレーションも、選考に関わるエンジニアに任せっきりになると負担が大きいため、気を配っています。エンジニアにはスカウト後の評価や実際の面談を任せ、私たちはPDCAを回すための数値管理を行っています。

末永
採用課題は、印象論になってしまいがちです。それを数字を元にした話に置き換えることで、課題が明確になっていくと思います。

ーー集計された採用データは、現場の方々もいつでもアクセスできるのでしょうか。

本田
全員ではありませんが、基本的に公開しています。部門のトップ2人を巻き込んだミーティングでもデータを元に話をしています。ミーティングの目的は組織拡大のための非効率の改善です。たとえば以前は同じバックエンドエンジニアの求人票がチームごとにバラバラということもありましたが、そのような非効率をなくしていこう、といういい流れが生まれています。

ーー改善方法の具体事例はありますか?

本田
採用に関するさまざまな目標数字が正しいかを追うためにデータを活用しています。たとえばスカウト→カジュアル面談→選考の各ステップで目標との数字ギャップが大きいのはどこか、などが見えれば修正が可能ですよね。

数字を可視化した上で、他社平均を参考にしています。特に面談は選考プロセスにおいて特に重要なので、他社のベストプラクティスを取り入れた上で様子を見ながら改善を進めています。

これはチーム内の認識統一にも役立っており、面談では現場のメンバーが候補者に対し期待値などをストレートに伝えられるようになりました。それが候補者とのギャップを埋めますし、「いい人だから来てほしい」ならストレートに伝えるべきという風潮も生まれています。結果、面談から面接への移行率もアップしました。

採用は難易度の高い業務。目標達成のための媒体選択のポイント

ーースカウト運用をアウトソーシングするに至った理由を教えてください。

末永
社内でスカウトを打っていた時期もありましたが、HR部門でも手が回らなくなり「年間採用目標に全然到達しない」という事実に直面したことが後押しとなりましたね。その時期、採用に詳しい知り合いにcore scoutをご紹介いただき、導入を検討しました。

ーーダイレクトリクルーティング代行特化のサービスを選ばれた理由は何でしょうか。

本田
私たちができない部分、負荷がかかる部分に特化して解決ができると判断したためです。特に質を伴った形での行動量を保ち続けることは、社内だけでは難しい面もあります。たとえば媒体運用はチームメンバーで多少回せますが、回すだけでは成果が出ません。HR部門にも現場にもできない、きめ細やかな部分を担っていただけるのではないかと思いました。

導入にあたり、いくつかのダイレクトリクルーティングを比較しましたが、core scoutが金額的にも内容的にも最も納得度が高かったです。

末永
実際に活用してみたときのパフォーマンスも、返信率の高さや採用実績で成果となって見えてきましたし、現場とのコミュニケーションやスカウト運用のオペレーション等の対応もスムーズでした。隔週の定例MTGでは、スカウト開封/返信率を元にした改善策の提案と実行を行ってくださいますので、PDCAサイクルも見えやすいですね。

信頼できる方からの紹介だったという点も含め、いいサービスに出会えてありがたいと感じています。

ーー今後、core scoutに求めるものは何でしょうか?

本田
採用は難易度の高い業務です。それに対して「難しいですね」で終わらず、改善に前向きにかかわっていただけるかがポイントだと感じています。core scoutさんは数字も見ていただいた上で課題抽出や提案を進めてくださいますよね。他社さんでは経験したことがないクオリティなので、今後もオペレーション担当者としてだけではない、具体的なご提案をいただけるととても助かります。

自由で自走力がある組織の強みを、採用にも活かしたい

ーーありがとうございました。最後にひとこと、いただけますでしょうか。 

末永
実は、私が育休で休んでいた時期もあるのですが、チームに支障は起きませんでした。権限移譲も済んでいましたし、意識のずれもない状態でのお休みです。「自分がいなくても動く」ということを再認識できましたし、どんどん任せながら採用業務の自走力を上げていきたいです。少し寂しさは感じますけれども…。

本田
私もさまざまな業務のハブにならざるを得ない時期もありましたが、 組織づくりのルールが整えば時間効率は上がることは確信できました。数字も可視化でき始めましたし、今後は中途採用で得たデータを評価制度、育成や配置などにも活かしていきたいです。

組織拡大では、採用業務は本当に肝となります。自社に合う仕組みを構築し、回るようにして、 改善していくというフローを永遠に繰り返すものなのでしょうね。

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