大規模採用の約5割がスカウト経由。エンジニア採用を成功させる「巻き込み力」とは?【株式会社Helpfeelさま】

ダイレクトリクルーティングの活用において重要なのが、運用体制の構築です。戦略立案やスカウトメール配信の運用過程で現場や社外パートナーをいかに巻き込むかが、採用成功の命運を左右するといっても過言ではありません。

検索型FAQ のSaaS『Helpfeel(ヘルプフィール)』などを手がける株式会社Helpfeel(2022年10月にNota株式会社より社名変更)では、事業拡大に伴う大規模な中途採用において、ダイレクトリクルーティングを積極活用中。その運用においてさまざまな「巻き込みの工夫」を重ねることで、単なる採用数の充足にとどまらない組織力強化を実行しています。

同社の採用活動について、採用広報責任者・猪飼 直史さまにお話を伺いました。

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大規模な組織強化のため、ダイレクトリクルーティングを活用


――はじめに、現在の採用目標について教えてください。

当社は2年ほど前までは20名ほどの社員数でしたが、「Helpfeel」のリリースと拡大によって組織強化が必要となり、今年度は年間で約80名の採用を目指しています。
採用職種としては、セールス・カスタマーサクセス・Webディレクター・テクニカルライターなどのビジネス系職種が6割ほど。そのほか、エンジニアとバックオフィスのポジションでも採用を行っています。

――具体的に、どのような手法で採用されているのでしょうか?

さまざまなチャネルを組み合わせています。ダイレクトリクルーティングによるスカウト採用が全体の4~5割程度。エージェント経由が2~3割で、自社サイトからの応募や社員紹介で採用できたケースもあります。
ここ最近でいえば、エンジニアの採用においては、エンジニア特化型のダイレクトリクルーティングのサービスを活用することが増えてきましたね。

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──貴社は、ダイレクトリクルーティングによる採用割合が非常に高いですよね。スカウトメールの配信数など、どのように計画を立てられているのでしょうか。 

まずは「どの程度行動しなければいけないのか」を、過去の実績をもとに算出します。スカウトメールへの求職者からの返信率や、そこから採用決定に至る割合などから逆算すれば、最終的な採用目標数に対してどのくらいスカウトメールを配信する必要があるのか、目標にすべき配信通数はおのずと見えてきます。

ただし、返信率などは使用媒体によって異なる傾向があったりもしますので、そのあたりの細かい点も深掘りしながら、最終的なアクションプランに落としこんでいます。

――複数のダイレクトリクルーティングサービスを運用されている中で、課題に感じていることはありますか?

本来、スカウトメールは“1本釣り”が好ましいと思っています。10人それぞれに想いを込めた渾身のメールを送って、10人全員から返信来て、10人とも採用できる……これが一番理想的ですよね。
ただ、現実的にはそれは至難の業です。スカウトメールの文面やコミュニケーションなどは丁寧に行いつつ、返信率から逆算した必要な行動量をしっかりと行うこと。これを両立し続けることが、ダイレクトリクルーティングにおける運用の難しさだと感じています。

初のエンジニア本格採用。アウトソーシング先の決め手とは?

――そのような課題があった中、ダイレクトリクルーティングの運用をアウトソースされることになったのはなぜですか?

昨年の当社の採用実績は年間25名ほど。先ほども申し上げた通り、今年は一気に80名の採用を行うことになったため、それを実現するための体制を社内人員だけで担うのは厳しい状況にありました。

そこで、ダイレクトリクルーティング運用のパートナーとなってくださる企業を探し始めました。

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――パートナー企業の選定にあたって、どのようなポイントで検討されたのでしょうか。 

大きくは、3つあります。

一つ目は、「仕組みで品質を保つ」のか、「個人のスキルで品質を保つ」のか。
前者は、一定のオペレーションが確立しているサービスの“仕組み”に乗っかっていくパターン。後者は、仕組みではなく“人”により重点を置き、採用やスカウトメールの運用への理解力が高い担当者の方にお任せしていくパターン。どちらが当社の状況に相応しいのか、これは非常に迷った部分でした。

二つ目は、採用成功というゴールに対して、逃げずに一緒に向き合ってくれるかどうか。
アウトソーシングサービスの大半は、スカウトメールの選定数や送信数に対して費用が発生する課金モデルです。スカウトメールを送ったからといって責任を果たしているというスタンスではなく、「送信数は十分だとして、それが採用に繋がっているのか」まで向き合っていただけるパートナー企業とご一緒したかったのです。

三つ目は、企業カルチャーに対して、理解・共感してくださるかどうか。
業務をアウトソーシングする際、依頼主となる企業にとって、パートナー企業が自分たちの方針やカルチャーを大事にしてくれるかどうかは非常に大切なポイントだと考えています。特に採用活動は、単なる数の人員補強だけではなく、組織のカルチャー形成を行う活動でもありますから。

――その中で、エンジニア採用におけるパートナー企業としてcore scoutを選択いただきました。その理由を教えてください。

当社は、これまで友人知人の紹介を中心にエンジニア組織を成長させてきており、色々なチャネルを駆使した本格的なエンジニア採用に取り組むのは今回が初めてでした。社内のオペレーションは整っていないですし、また、それ以上に、エンジニアの既存メンバーにもしっかりと採用活動に向き合ってもらえるような空気感をつくっていく必要がありました。

その点、先ほどの1つ目のポイントでいうと、core scoutはエンジニア採用の知識・スキルが豊富な方がスカウト業務をサポートしてくださいます。社内のエンジニアを巻き込んだ採用活動を展開していく上で、彼らにとっても信頼のおけるパートナーとなっていただけるのではと考えました。

――実際にcore scoutを利用された感想を教えてください。

私のような採用担当者にとっては、一緒に採用活動の改善やチャレンジができていることがありがたいですね。

core scoutの担当者の方へ、採用において課題に思っていることをお話すると、すぐに解決策のアイデアを出していただけますし、それをもとにお互いブレストを重ねながら新たな仕組みをつくることもできています。単に採用業務をこなすだけでなく、目線を同じくしたパートナーになっていただけている実感があります。

また、エンジニアメンバーとのコミュニケーションでも非常に助かっています。
本格的なエンジニア採用が初めてだった中、どのようなポイントを大事にして、どのような人物を採用すべきか、社内でも明文化はできていませんでした。そこで、エンジニア採用の専門知識を持ったcore scoutの担当者の方がエンジニアメンバーに対して適切な「問いかけ」をしていただくことで、彼ら自身がそれを言語化できるようになっているんです。

私たちは、「社員全員で採用活動を行う」ことを非常に重要視しています。ですので、パートナー企業にアウトソースして、自分たちがやることがなくなってしまっては困るんですね。core scoutがそのような当社の意向を汲み取ってくださったので、サポートに入っていただきながら自分たちも行動していくという、いいバランスを取りながら採用活動を推進できています。

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現場を巻き込んだ採用のため、心得ておくべきこと


――貴社は採用活動における「現場の巻き込み」を本当に大事にされていますよね。人事とエンジニアの現場とのより良い連携のためには、どのようなことが重要だと思われますか?

前提として、やはりエンジニアの技術への理解とリスペクトは不可欠です。人事も一定のレベルまでは勉強して、エンジニアと会話できるようにならなければいけないと思います。

そのうえで、人事は人事のプロとして成果を出すための行動ガイドラインを定め、まずはそれを現場に徹底してもらうことが重要です。

よくあるのが、ゴールから逆算したスカウトの目標送信数はわかっていながら、その大変さゆえ「まずは少数の人に、こだわったメッセージを送ってみよう」というふうに、最初から質を求めてしまうケース。もちろん質は大事ですが、まずは量をこなさないと正しい気付きは得られません。そのような状況に陥らないためにも、人事がガイドラインの徹底に対して強い意思を持つことが求められます。

――人事と現場、互いにプロとして向き合う環境づくりが大事ですね。

そうですね。さらに加えてお伝えすると、振り返りをしっかりするということも大事にしています。スカウトメールの運用はなかなか大変な作業なので、結果が悪いと社内に疲弊感が漂いがちです。

でも、「頑張ったけど報われなかった」ではなく、振り返りを通じて「頑張って送った結果、こうだったよね」というふうに、気付きを得てそれをナレッジとして貯めていくことこそがスカウトメール運用の根幹なのだと認識できれば、たとえ目先の数字が悪くとも、気づきと改善を経てしっかり発展していきます。

そうすれば人事と現場の双方がポジティブな気持ちでいられますし、オペレーション的な作業が多い分野だからこそ、振り返りはとても大事にしています。

その点、core scoutには週次単位でレポートを出してもらっており、スカウト送信数や返信数などの定量情報から、各媒体ごとの登録者状況や改善ポイントなどの定性情報まで、最新情報を常に追える体制を築けているのはポジティブですね。

――ちなみに、エンジニア採用において、貴社はイベントも定期的に行っていますよね。

はい。年に1回「Nota Tech Conf」という、社内の技術領域の取り組みをお伝えするカンファレンスを開催しています。このイベントから興味をもって、当社の求人に応募いただく方も多くいらっしゃいます。
また、そこから派生して、小〜中規模の「Nota ALL STARS Meetup」というミートアップイベントも定期的に開催しています。

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2022年春に開催された「Nota Tech Conf 2022 Spring」の様子(画像提供:Helpfeel)

――イベントは、なかなか成果が計りにくい施策でもあると思いますが、イベント運営においても、振り返りは大事にされているのでしょうか?

もちろん、どれぐらい応募があり、そこからどれぐらい選考に繋がったのか、数値はしっかり計測します。

ただ、数値を「目標」にはしていません。もちろん振り返りは大事なのですが、そこから採用数や応募数を追いかけてしまうと、目標数に固執するがゆえ「イベントは効率が悪いからやめよう」という会話ばかりがされるようになり、採用施策のチャレンジをするうえで、目標がブレーキになるという状態が生まれてしまうんですね。

今は、結果は後からついてくるものとして、機会を多くつくることを重視しています。

――なるほど。中長期で成果が出てくることもあるでしょうし、ここ数年イベントのオンライン化が進んだことで、単発のイベントもアーカイブとして資産化することができるようになりましたよね。

そうですね。たとえ参加者が少なくてもその後のコンテンツとして再利用できるというのは、新しいチャレンジをする上で気持ちの負担を軽くしてくれます。また、現場の巻き込みという意味でいえば、遊び心も入れながらみんなで盛り上げようという雰囲気をつくっていけると良いですね。

Helpfeelならではの“色付け”をしていきたい


――採用における現在の課題としては、どんなことが挙げられますか?

細かい点でいえば、現在は「ビジネス職」「エンジニア職」といったようなざっくりとした区切り方で採用戦略を立てていますが、本来は一つひとつの職種ごとに戦略を立てるべきで、改善していきたいと考えています。

ただ、それをするにもやはり人員が必要なので、まずは大規模な採用に耐えられる体制づくりを進めていくことが先決ですね。それはダイレクトリクルーティングの運用のみならず、エージェントさんに紹介数を増やしていただくといった点も含めて取り組んでいかなければいけませんし、そのためには、当社の採用ブランディングも重要なポイントになってきます。

――体制が整い、かつ「Helpfeelはこういうふうに働ける会社」と認知が広まると、採用活動も新たなフェーズに入りそうですね。

わかりやすいところでいえば、Googleの社員さんと聞くと、テクノロジーに明るそうなイメージを持ちますよね。このように、今後はHelpfeelに所属することによる“色付け”ができていくと良いなと感じています。それは社内にいるメンバーへのメッセージにもなりますし、組織の風土もより良いものになっていくと考えています。

【取材にご協力いただいた方】

株式会社Helpfeel 猪飼 直史さま
エンジニア特化の人材会社のgeechs株式会社に2015年新卒入社。IT/Web企業を中心にエンジニアの採用支援とキャリアコンサルを一気通貫で担当。2017年5月に株式会社Gunosyに1人目のエンジニア採用担当として入社。中途採用の推進や新卒採用の立ち上げを経て、2020年に人事マネージャーに就任。リモートワーク導入推進や採用全般のマネジメントを担当。
その後、複数企業のフリーランス人事としての期間を経て、2021年12月に株式会社Helpfeelに採用広報責任者として参画。

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