HERPは「採用を変え、日本を強く。」をミッションに掲げているHR Tech企業です。主にエンジニアの採用を目的として、2024年1月よりcore scoutを導入いただき、ダイレクトリクルーティングの導入と運用支援を行っています。今回は、株式会社HERPで経営企画と人事部門の責任者を務める高島 陽介さまと、本プロジェクトをリードした当社の執行役員 山田に話を伺いました。
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目次
HERPが求めた「伴走型支援」の価値とcore scoutの魅力
高島陽介(たかしま・ようすけ)氏
大手精密機器メーカーに新卒入社。半導体露光装置の生産管理を経て、医療機器事業の立ち上げおよびM&Aに携わる。教育系ベンチャーへ転職後、インバウンド派遣事業を責任者として推進。コロナ禍での事業撤退後、人事評価・投資管理・年次計画などの制度設計を中心に経営企画を担当。2023年9月にHERPへ参画。
──まず御社の事業内容について教えてください。
高島:HERPは「採用を変え、日本を強く。」をミッションに掲げているHR Tech企業です。「HERP Hire」と呼ばれる採用管理システム(ATS)を主力事業としていましたが、近年は新規事業開発やM&Aにも積極投資しており、採用管理システム(ATS)を提供する会社から、複数サービスの開発・提供で採用の実現を支援する会社にシフトしているのが当社の状況です。
──そのなかで、高島様はどのような業務をされているのでしょうか。
高島:2023年9月にHERPに入社し、経営企画と人事部門の責任者を担当しています。人事としては、主に事業部門と連携しながら、経営戦略を元にした採用戦略の立案、人事評価制度の改定、ピープルマネジメントなどを行っています。
──今期の計画では、何名・何ポジションほどの採用を見込んでいましたか?
高島:年間20名程度の採用を見込んでいました。内訳としては、ビジネス・コーポレートサイドとエンジニアサイドでちょうど半分ずつです。当社は事業が多角化していることもあり、既存事業に加えて新規プロダクトのセールスやCSといったポジションも増えています。また、エンジニアサイドもプロダクト間の連携やデータ活用など、より高度で複雑なスキルが求められており、データエンジニアやSREなどのインフラ系エンジニアの採用ニーズが高まっています。
──採用活動を行うにあたって、抱えていた課題を教えてください。
高島:事業の成長・多角化によって募集するポジションが急増し、母集団形成における戦略や戦術を見直す必要が出てきたことですね。以前はリファラル採用を中心に行っていましたが、年間20名の採用を見据えたときに、リファラル以外の採用活動も強化していくことが不可欠になるだろうと考えました。
──外部パートナーを探すときには、どのようなポイントを重視していましたか?
高島:ポイントとしては2つあって、1つが高度なスキルや経験をもつエンジニアの採用において知見やノウハウがあるかどうか。私は、前職で事業計画策定の支援、各種制度設計から運用、中途採用など、人事および経営企画を広く担当していました。しかし、エンジニア採用に関する具体的な知見やノウハウを持ち合わせているわけではなかったんです。そこで、エンジニア採用のプロとしての観点から助言や伴走をいただけるパートナーを探していました。
もう1つが、HERPが推奨しているスクラム採用という価値観を理解し、共に進めていけるか。スクラム採用では、人事や経営陣だけでなく現場社員も主体となって採用を進めるのが特徴です。そのような採用を推進するうえで、部門ごとに採用オーナーの役割を担うHiring Managerを設置しています。例えばセールスチームの場合だと、セールスチームのHiring Managerが採用要件の作成や面談・面接対応、スカウト文の作成など、採用プロセスに大きく関与します。パートナー会社に全ての採用業務をお任せすればリソース不足の解消が見込めますが、それはスクラム採用の思想と相反するため、密に連携しながら進められることを重視していました。
──パートナーとしてcore scoutを選んだ決め手を教えていただけますでしょうか。
高島:core scoutはエンジニア採用支援の実績が豊富だった点はもちろん、「最終的には自社で運用できるようになるまで、伴走していただけますか?」とお伝えした際に、「ぜひ、共にそういった環境を作っていきましょう」と快諾いただけたことが最終的な決め手となりましたね。
自社の魅力を最大限伝えるために。スカウトのメッセージは「閉じず」に「広げる」
山田 悠策(やまだ・ゆうさく)氏
パーソルキャリア株式会社へ新卒入社し、不動産・建設業界を中心に人材紹介の法人営業に従事。2018年11月に共感採用という新しい採用の在り方を提起するHR Techのウォンテッドリー株式会社へ中途入社。セールス、カスタマーサクセス、イベント運営等を担当。2022年3月より株式会社シンギョクで「core scout」の運営面全般を管掌。
──いつ頃からダイレクトリクルーティングサービス(以下DRサービス)を活用・導入していたか教えてください。
高島:core scoutに参画してもらう前からDRサービスは導入していたんです。我々はスクラム採用を導入しているため、現場のメンバーが候補者を選定してスカウトメールを作成・送信するところまで円滑にアクションできるように、人事側で仕組みづくりやサポートを行う必要がありました。ただ、そこまでリソースを割くことができず、うまく活用しきれていなかったのが現状でした。
山田:スカウトについてはエンジニア採用が中心であったため、弊社で採用支援の実績が豊富な点で「転職ドラフト」、またHERP様が提唱するスクラム採用とも親和性が高いという理由から「YOUTRUST」の合計2つのDRサービスの導入提案をさせていただきました。
──現場主導で採用活動を進める環境だからこそ、人事としてどのようなことを意識・実行していましたか?
高島:大きく3つあって、1つめが市場感を正しくメンバーに伝えることですね。エージェントからもらった採用トレンドや情報などは逐一共有するようにしています。
2つめが現場に大きな負荷がかからないようなデリバリーの仕組みを構築・整備することです。具体的には、各サービスにおける候補データベースの一元管理やスカウト送信フローの簡素化などを行い、各部門のHiring Managerが確実にタスクを実行できるところまで考えるのが我々人事の役割だと考えています。
3つめが採用プロセスと現場の中から候補者単位でアトラクトやフォローを行うオーナーを決めることです。
ここでいうオーナーはHiring Managerとは別のメンバーが担うこともあります。これはスクラム採用で非常にインパクトがある施策だと思っていて、当事者意識をもってもらうことにもつながります。「良い人が入社してきた」よりも、「自分が良いと思って推した人が入社してきた」ほうが圧倒的に気持ちが高まるじゃないですか。それに、成功体験が増えれば、どんどん採用に対して前向きな気持ちが生まれると思うんですよね。
山田:特にオファー面談をはじめ面接以外で接点を取るタイミングでは、人事主導でアトラクトすることが一般的なので、こういった採用プロセスは稀有な事例かもしれません。現場主導で、かつポジションごとに運用するのは大変なことも多いと思いますが、そこをこだわりを持ってやり切れているのは、まさにスクラム採用を提唱した御社ならではの特色だと感じますね。
──以前から、部門ごとに人事と現場の採用定例ミーティングを実施していたと聞きました。我々が参画する前と後でどのような変化がありましたか?
高島:当時は、採用進捗や課題の共有・議論をしつつ、スカウトする候補者の選定・送信を部門ごとに別々で行っていました。ただ、これだと議論が先行してスカウトにかける時間が取れなかったり、選定だけして送信ができなかったりと、様々な問題を抱えていたのが実態です。core scout参画後は、毎週1回60分の「スカウトもくもく会」を各部門横断で実施することにしました。その時間ではスカウト送信だけに集中してもらえるよう、事前にcore scout側で送信対象の候補者を選定しておくなどの工夫をしていました。
山田:タスクの遂行度を高めるうえで、取り組むタイミングをずらすというのも有効な手段ですよね。それに、「今日は候補者選定を最低◯件行います」と決めた方が保留の候補者も一旦ピックアップしようと思えるし、「送信時は原則全員に送る」というルールを設ければ、行動することに集中できる環境を作りやすいです。
──マルチプロダクトを展開するなかで、メッセージの出し分けはどのように工夫されましたか?
高島:当初は、部門が抱えている課題や募集の背景、役割をそれぞれ可視化し、ポジションごとに別々でスカウトを送っていました。ただ、ポジションによっては関わる事業・プロダクトが違えど採用要件は似ているということもあるため、現在エンジニアサイドでは一部オープンポジションで募集をかけて、カジュアル面談する方法に切り替えています。
事業とポジションを絞ってアプローチするよりも、さまざまな事業やプロダクトに関われるというメッセージの方が候補者にHERPの魅力が伝わりますし、結果として返信率も高くなると感じたからです。
山田:そうですね。私もプロダクト・事業単位ではなくビジョン・ミッションに共感した候補者に応募してもらった方が御社にマッチするなと感じました。
あと驚いたのが、現場のエンジニアの方々が他の事業やプロダクトの募集状況まで熟知・把握されていたことですね。私の知る限りでは、オープンポジションのように複数ポジションで募集した際には、まず人事が面談し、適切な部門に振り分けるケースが多いです。そうすると、人事が対応するカジュアル面談が1日6、7件になってしまって他の重要なタスクや取り組みに着手できない状態になるリスクがあります。社内で情報連携が日々円滑に行われている点は非常に大きいかなと思いますね。
──ミドルクラス以上のエンジニアを積極採用するうえで、工夫していたことがあれば教えてください。
高島:特にスカウトやリファラル経由については、候補者からの希望がなくても初回の接点はカジュアル面談にしていました。それは、現場のメンバーが候補者が考えるキャリアや価値観に合わせて提案、議論をしたいというモチベーションが根底にあるからです。
山田:なるほど。あくまでカジュアル面談は「候補者側が経験してきたこと・今後挑戦したいこと」と「HERPさんが考えていること・求めること」のすり合わせの機会にしているんですね。特に経験やスキルが豊富なミドルクラス以上のエンジニアにとっては、できることの幅や深さがあるこそ、参画意向を高めるだけでなくミスマッチを防ぐ観点でも非常に良さそうです。
多様な人材との出会いを創出すべく、リファラル偏重の採用戦略から新しい採用の形へ。
──当初の採用計画に対する現在の進捗はいかがでしょうか?
高島:当初計画していた募集ポジションの約60%が達成できている状況です。この1年間で約17〜18名が入社しています。(※2024年10月時点)
エンジニアでいうと、私が入社してすぐの頃はリファラル採用がメインでした。そこからcore scoutに支援いただき、YOUTRUSTのスカウト経由で早速エンジニア1名の入社が決まりました。以前スタートアップ企業でバックエンドエンジニアとして従事していた方で、今は当社でリードエンジニアとして活躍しています。ようやくスカウトから採用する土台ができ始めてきましたね。
──core scoutの採用支援で良かった点・満足した点があれば教えてください。
高島:良かった点は、客観的に採用のプロの目線から支援・アドバイスをいただけたことです。例えば、「一般的な目線だと、こういったタイプの人にはスカウトを送ります」や「このポジションは、どの企業も採用に苦戦しているので、数をある程度送らないと面接をセットするのが難しいです」など、具体的なアドバイスをいただけたのは助かりました。
DRサービスではスカウトの量と質のバランスが極めて重要になりますが、現場のメンバーからすると、「この人は、当社にはマッチしないかもしれない」となってしまいがちなんですよね。候補者全てがプロフィール文を完璧に埋めているわけではないですし、面談したら、実はものすごくマッチしている可能性もあるかもしれません。
山田:こういったお話は他のクライアントにもさせていただくことが多いです。自分が面接をする立場でスカウトを送る場合、どうしても目線が厳しくなって「送らない理由」を探してしまうんですよね。ただ、それだと良い候補者と出会いにくい状況が生まれてしまいます。なので、一旦そのような感情を排除し、「送る理由」を探し続けることが重要です。
高島:採用の成果はもちろん、多くの候補者と出会える機会をいただけたこと、そしてエンジニア採用に関するさまざまな学びや気づきを得られたことが何よりの価値だと思っています。
──逆にもっとこうして欲しいなどの要望はありますか?
高島:支援内容に関して、基本的には十分に満足しています。強いて挙げるなら、スカウト以外でもエンジニア採用支援のソリューションがあると、より一層強力なパートナーとして頼りになる存在だと感じています。
山田:その点については他のクライアントからも度々要望としていただいていまして、我々も認識しています。実は、半年ほど前からエージェント対応や媒体運用などスカウト以外の採用手法も含めたハンズオン型の採用支援プランを開始しており、あらゆるニーズにお応えできるよう日々試行錯誤しています。もっと広く採用人事領域におけるソリューションとして成長できたらと思っています。
──今後、採用活動で取り組んでいきたいことがあれば教えてください。
高島:我々は「求職者体験品質の向上」を大切にしています。それを実現するための手法の1つがスクラム採用やカジュアル面談だと思っているし、「ジョブミル」「HERP Trust」「HERP Careers」といった新規事業・新規プロダクトだと思っています。もっと世の中にこの価値観を広げていきたいです。
しかし、そのためにはまだまだ人手が足りません。当社はここ数年で倍のペースで事業成長しており、まさに変化の時期といえます。新規事業や新規プロダクトも複数生まれており、手を挙げればさまざまなポジションに挑戦できるし、また事業責任者といったキャリアの機会も得られる状況です。
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