難易度の高い「非同期コミュニケ―ション」を円滑にする4つの工夫

こんにちは!シンギョクでスカウトRPO「core scout」の運営面を管掌している山田です。

今回は、プロジェクト進行における社内コミュニケーションについて取り上げたいと思います。
シンギョクでは、提供するサービスや組織の特性上、社内体制に以下のような特徴があります。

・いちクライアントの支援に対し、社内メンバーが3名以上アサインされる
・メンバー全員がフルリモート/フルフレックスのため、非同期コミュニケーション(各々の都合の良い時間にメッセージを確認する)が主流

複数の関係者が非同期で仕事を進めるので、コミュニケーションの難易度は低くはありません。一方、社内で適格かつ明瞭な意思伝達がされているか否かはサービスの質に直結するため、とても重要です。日々、工夫や改善が欠かせません。

「自分の主張や意見が、なかなか相手に理解してもらえない」
「依頼した内容に対して、想定と異なる成果物が出てきてしまう」

今回は、そんな方を対象に、社内コミュニケーションを円滑にするポイントをいくつかお伝えします。
一見すると当たり前に思える内容かもしれませんが、だからこそ無意識のうちに適当に流していたり避けていたりすることが多い内容でもあるため、ぜひご参照ください。

※core scoutのサービス体制を補足すると、私はPM(プロジェクトマネージャー)というクライアント対応の責任者を担っており、実際のスカウト選定・送信をはじめとした実務面は社内の他メンバーが担当しています。つまり、役割上、社内外の橋渡し役としてコミュニケーションを取る範囲が広く、頻度も高いです。

社内コミュニケーションを円滑にするポイント4選

1.Whyの認識を合わせる

お笑いのコントで、「会話している2人がなんとなく言っていることが噛み合っていないと思いつつ話を進めていくと、蓋を開けてみたら全く別々のことについて話していた……」、という顛末を見たことがある人も少なくないでしょう。

程度の違いはあれど、ビジネスの現場でも日々似たようなことが起きていることは多いです。先に記載した通り、弊社のように一つのプロジェクトに対して各役割を持った複数名がアサインされるような体制の場合、メンバー間で目線を合わせた上でプロジェクトを進行することが特に重要です。

その目線というのが「Why(なぜ)」です。What(何を)とHow(どのように)の組み合わせはよく聞きますが、何をするにもまずはWhyを明確にし、互いの認識を合わせることが必要です。

逆に言うと、Whyの認識さえ合っていれば、WhatとHowはそれほど外れないと思っています。
私自身、何かを社内メンバーに依頼する時は以下の構成で依頼することを心がけています。

・What(依頼したい内容)
・Why(なぜWhatに取り組む必要があるのか)
・How(具体的な成果物のイメージや手順)
・備考(期限や補足等)

これは依頼の場面だけでなく、何かを確認したい時や相談したい時など様々な場面で使うことができます。フォーマットに沿っていなくてもこの構成を意識するだけで、驚くほど日々のコミュニケーションが円滑になるのでお勧めです。

さらに、副次的な効果として、Why、Whatをすり合わせると、タスクに取り組む前に「これは取り組む必要がないのでは?」というように無駄に気づくことができるというメリットもあります。

2.相手の視点に立ったコミュニケーションを取る

自分からの依頼や質問に対して、相手の反応が思っていたものと違ったというケースは誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
先に挙げた「Whyがすり合っていない」ことも一つの要因ですが、相手あってのコミュニケーションであることを忘れてはいけません。

相手はいま忙しいのか、それとも手が空いているのか。
自分にとってのメリットは大きいが、相手にとってみるとどうか。

基本的なことですが、ふと立ち止まって考えてみることで、ちょっとした気遣いができるようになり、相手からの反応もかなり変わってきます。

この点についてもっと知りたいという方は、以下の本を読んでみることをお勧めします。

他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論

もし余力があれば、相手の視点に立つだけでなく、背景や価値観なども合わせて考えられるようになると、よりコミュニケーションが円滑に取れるようになると思います。

3.非同期コミュニケーションと同期コミュニケーションをうまく使い分ける

特に、非同期コミュニケーションは、昨今の社会情勢や働き方の多様化などの背景から一気に広まったように思います。

働く場所や時間帯が異なるメンバーと仕事をする上で、全てのコミュニケーションを、ミーティングや電話等で同期的にとることは現実的ではありません。その上、やり取りできるタイミングを待っていたらスピードも落ちてしまいます。
(同期、非同期の定義は意見が分かれるところですが、本記事では、SlackやChatworkなどのチャットツールは非同期コミュニケーションに含まれるものとします)

一方で、全てをチャットやドキュメント等のツールを使った非同期コミュニケーションのみで完結させることも、時にリスクが大きいと考えています。

例えば、先に記載したような「Whyのすり合わせができていない」と感じるような場面では、まずは同期コミュニケーションで前提の認識を合わせた上で取りかかった方が、その後のやりとりがスムーズに進みやすく、成果物の質も高いことが多いです。

他にも、依頼したい内容が抽象的だったり、初めてやりとりする相手だったりという場合も同様の進め方が有効です。
同期と非同期のコミュニケーションをハイブリッドにうまく使い分けることは、ビジネスパーソンにとって特に必要とされるスキルの一つだと思っています。

4.ダメなことはダメときちんと伝える

先日、弊社代表の花房が以下の記事を公開しましたが、中に記載の通り、シンギョクは創業からこれまでほぼリファラルのみでメンバーを集めています。直接のつながりはなかったとしても、友人の友人という近い繋がりの方がほとんどです。

0からの起業、仲間集めはどうやった?組織運営の工夫もご紹介

私自身、ビジネスでもプライベートでも色々な方と話すこと自体は好きなのですが、改善してほしいことがあった時に「何が足りていなくて、具体的にどう改善してほしいのかを要求すること」に大きな苦手意識がありました。相手が嫌な気持ちになるのではないか、これまでの関係性が崩れてしまうのではないかなどクヨクヨと考えてしまいます。シンギョクのように、自身と親しいメンバーが多いと尚更です。

ただ、冷静になって考えてみると、ちゃんと要求した方が事業にとっても相手自身にとってもメリットになることの方が明らかに大きいんですよね。

もちろん、伝えることや要求することの妥当性があるかどうかは精査する必要がありますが、一見ネガティブに見える内容でも正直に伝えた方が、建設的な議論になる上、改善にも繋がりやすいです。
私も、それが分かってからは堂々とコミュニケーションが取れるようになりました。さらに、人間慣れてくるもので、以前よりも伝え方がうまくなったり、伝えるまでのスピードも短くなったりと、少しは成長したのかなと思っています。

「仕事を振ってばかりだと嫌われないか?」という不安との向き合い方

少し唐突に思われるかもしれませんが、複数名でプロジェクトを進行する際、周囲にタスクを任せたり、分担して進めたりすることが多々あると思います。
そんな中、メンバーから「あの人はタスクを振ってばかりで、自身は何もしていないのではないか」というようなネガティブな声を耳にするシーンもあるのではないでしょうか。

これは、私自身がこれまでのキャリアにおいて経験したことでもあります。一度このような声を耳にしてしまうと、自分が周囲にどう思われているのか心配になったこともありました。
そんな不安が思い浮かんできた時、以下の3つの問いにYesと答えることができるかどうかを自問自答しています。

・依頼するタスクと依頼される側の役割の間に妥当性があるか
・そのタスクに取り組むことが、事業や組織にどのようなメリットを生むかが明確か、依頼される側にそれが正しく伝わっているか
・依頼される側の状況(忙しさなど)を踏まえた上で、適切な納期設定をしているか

このようなポイントについて自信をもってYesと答えることができれば、メンバーとのコミュニケーションもうまくいくと思います。

ただし、どこまでやっても不安はつきもの。個人的に、不安というのは決してネガティブなことではなく、悲観的に考えることで最善策や防止策を打つためのポジショティブな側面の方が大きいと捉えているため、逆に不安にならない方が不安になるくらいです。(ややこしいですね)

任せられることはどんどん周囲に任せ、自身がより価値を発揮できるようなことに取り組めるようになると、個人だけでなく組織としても健全に成長していくと思っています。

さいごに

今回は、範囲を”社内”に絞っていくつかのポイントを整理しましたが、対社外でも実践できる内容だと思っています。

円滑にコミュニケーションを取り、事業も組織も良い状態をつくっていきたいですね!

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