採用動画の成功事例10選|作り方・費用相場・制作のポイントを解説

YouTubeをはじめとした動画メディアのシェア拡大により、企業の採用活動において「採用動画の活用」が盛んになってきています。

動画は視覚・聴覚から企業の雰囲気や魅力、働く社員の人柄や価値観といった内面的な部分を伝えられるため、興味関心を引きやすく採用活動における強力なツールの一つであることは間違いありません。

そこで当記事では採用成功を生み出す採用動画の作り方や注意点、参考になる採用動画事例10選を紹介していきますので、採用動画を取り入れようか検討している方は参考にしてみてください。

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目次

採用動画とは?

採用動画とは、求職者に向けて企業の魅力や雰囲気を伝えるために制作される映像コンテンツです。

具体的には、社員インタビュー動画・事業紹介動画・オフィス紹介動画・企業説明会用動画・コンセプトムービー(ショートムービー)などさまざまな見せ方があり、自社が求める人材や伝えたいメッセージに合わせた動画を展開して採用成功に結びつけていきます。

動画は文章では伝えきれない空気感まで視覚的に共有することができるため、企業イメージを向上させたり、働くイメージを具体化させたりなど、さまざまなメリットをもたらします。

また株式会社Lumiiによる「採用動画に関する実態調査」では採用動画の必要性に関する質問について、8割以上の就職活動経験者が「あった方がいい」と回答しており、昨今の就職環境において採用動画のニーズが高まっていることも見受けられます。

より多くの求職者からの応募を獲得するためには、採用動画は必要不可欠な存在となりつつあるのでしょう。

参考:株式会社Lumii「採用動画に関する実態調査」

制作費用の相場

動画の制作を外部に依頼する場合、動画の目的や内容によって動画の長さ・ロケーション・出演キャスト・カメラ台数・撮影手法などが異なることから、費用相場は10万円〜200万円程度とかなり幅広いです。

数分程度のシンプルなオフィス紹介や社員インタビュー動画であれば10万円〜30万円程度が一般的な相場で、そこへさらにストーリーテリングをくわえたり、ブランディング要素をくわえたりすると50万円〜200万円程度と一気に金額が変わる傾向にあります。

また企画制作やシナリオ制作から依頼する場合には、さらにディレクション費が加算されるため頭に置いておくと良いでしょう。

ただ昨今ではスマートフォンの性能が非常に高いことから、簡単な採用動画であればiPhoneなどを使用して自社内で作成するケースもみられます。

内製化できればコストを抑えて作成できるため、社内で採用動画制作メンバーを募ってチャレンジしてみるのも一つの手です。

採用動画を制作するメリットと効果

採用動画を制作することによって、企業の魅力を具体化できたり企業の認知拡大につながったり、さまざまなメリットを受けることができます。

【採用動画を制作する4つのメリット】

  • 文字では分からない雰囲気・空気感を伝えられる
  • リアルな情報を届けられる
  • 求職者の印象に残りやすく認知拡大につながる
  • 採用工数の削減になる

採用動画を活用することによって得られる効果とメリットについて、しっかり理解して採用活動に取り入れていきましょう。

文字では分からない雰囲気・空気感を伝えられる

同じ物語を「小説で読む場合」と「映像で見る場合」では感じ方や受け取り方が異なるように、採用の場面でも企業の魅力を「文章で伝える場合」と「映像で伝える場合」では違いが生まれます。

文字では分からない企業や仕事の雰囲気・空気感を伝えられるのは大きなメリットの一つです。

オフィスの風景を映像で紹介したり、働いている社員の様子やインタビューを見せたり、映像だからこそ伝えられる企業の魅力にフォーカスしていきましょう。

リアルな情報を届けられる

動画は映像で情報を伝えるため、リアリティのある情報を届けやすい特徴があります。

実際に働くオフィスの風景や社員の表情の変化、価値を体現する臨場感など、企業らしさや社員のありのままの姿を捉えやすいことから共感や感動といった感情を呼び起こしやすいのです。

講義スタイルで伝えたりドキュメンタリー風にしたりと伝え方も千差万別なため、企業の特性や求める人材層に合わせて制作できる点もリアルな情報を届けられる強みの一つでしょう。

求職者の印象に残りやすく認知拡大につながる

動画は視覚・聴覚の双方から情報を受け取れるため、求職者の印象に残りやすいメリットがあります。

実際、株式会社Lumiiによる「採用動画に関する実態調査」では、採用動画の視聴によって6割以上が「企業への志望度が上がった」と回答したデータもあり、求職者の印象に残ることは応募率向上の一翼を担ってくれることが分かります。

また企業の認知度を上げるために、これまでの媒体にくわえて動画を活用するのは最適な手段の一つです。

これまでの媒体ではスルーされてしまっていた求職者の目に留まる可能性があり、そのうえ印象に残すことができれば大きな採用効果を得られるでしょう。

参考:株式会社Lumii「採用動画に関する実態調査」

採用工数の削減になる

採用動画は採用工数を削減する効果も見込めます。

たとえば会社説明会用の動画を制作しておけば、採用担当者が毎回同じ説明を求職者の前で繰り返す必要がなくなります。

また動画はさまざまな媒体にシェアが可能なので、一つ制作すれば企業HP・採用サイト・Youtube・SNS・noteなどあらゆる場面で使用することが可能です。

汎用性が高いため効率的に自社アピールするには持ってこいの施策といえるでしょう。

効果的な採用動画の作り方

採用成功を生み出すためには、ただ動画を撮影をしてWebにアップロードすれば良いわけではありません。

自社が求める人材の心に響く制作ができるようまずは求めるターゲットの明確化を行ったり、動画のコンセプトを明確にしたりと制作のコアとなる要素を具体化させていく必要があります。

なかでも効果的な採用動画を作るときのポイントは以下4つ。

  • 採用課題・採用ターゲットを明確に設定する
  • 採用コンセプトを設定する
  • 採用動画の活用場面・発信媒体を決める
  • 動画閲覧から応募まで一連のシナリオを想定する

しっかりポイントを押さえて、成果を生み出す動画づくりに励んでいきましょう。

採用課題・採用ターゲットを明確に設定する

まずは今抱えている採用課題は何なのか、どんな人物を採用したいのか、採用したいターゲットを明確に設定しましょう。

「何を解決するために採用動画を制作するのか」がわからないままだと動画コンセプトの決めようがありませんし、「誰に届けたいのかがわからない」と動画の内容も定まりません。

まずは動画制作の背骨となる「どんな課題を解決するために動画をつくるのか」「誰に届ける動画なのか」が明確になるよう採用課題とターゲットをしっかり設定していきましょう。

採用コンセプトを設定する

採用コンセプトを明確にすることで動画全体のメッセージを一貫させることができます。

たとえば「会社を知ってもらう」ことが採用動画を制作する目的だったとき、その訴求方法は多種多様です。

人柄の良さが強みだから人間力をコンセプトにしよう、仕事にかける想いを伝えたいから情熱をコンセプトにしようなど、アプローチの視点はさまざまにあるので途中でメッセージ性がブレてしまわないよう採用の根幹となるコンセプトを明確にしておきましょう。

また企業独自のコンセプトを策定することは他社との差別化につながるうえ、企業のブランド力を高める効果も期待できます。

採用動画の活用場面・発信媒体を決める

目的達成に適した動画を制作できるよう、あらかじめ採用動画をどの場面で活用するのか、どの媒体で発信するのかを決めておきましょう。

なぜなら活用場面や媒体によって視聴する層が異なるからです。

たとえば会社説明会に来ている求職者の場合は「企業の認知があり興味を持ってくれている人」が多いと予想されますが、YouTubeを見ている求職者の場合は「企業を認知しておらず興味もそれほど持っていない人」が多い可能性が高いでしょう。

制作した動画をさまざまな場面・媒体で横展開することは構いませんが、本来の目的を見失い闇雲に動画をアップロードするだけでは求職者の心に響く動画を制作することはできません。

採用動画を作り始める前段階から、活用場面・発信媒体の候補を検討しておくようにしましょう。

動画閲覧から応募まで一連のシナリオを想定する

採用ターゲットやコンセプトが明確になったらカスタマージャーニーを考えましょう。

カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスと出会い購入や契約に至るまでの道筋を描く考え方のこと。

採用動画制作に置き換えると、採用したい求職者が動画を閲覧してから応募するまでの一連のシナリオを見える化することです。

求職者が採用動画を見たときにどのような心理状態になり、どのような思考をして、どのような行動をしていくのか一連の流れを考えて、適切なアピールを動画に取り入れることで採用成果に近づけることができます。

採用動画を外部に制作依頼する際の注意点

採用動画を制作する際、社内メンバーで行うのではなく外部の動画制作会社に依頼するケースもあるでしょう。

外部に動画制作を委託する場合は、以下3点を意識しておくことが大切です。

  1. 採用動画の目的を共有しゴールを明確化すること
  2. 応募者体験を意識して設計すること
  3. どのチャネルで動画を活用するか検討しておくこと

相手に丸投げするのではなく、動画制作会社とパートナーと捉えて協業していきましょう。

1.採用動画の目的を共有しゴールを明確化すること

動画制作会社は映像制作におけるプロではありますが、企業のことを一番よく理解しているのは採用担当者であるあなた自身です。

誰に対して・何のために・何を伝えたいのかという目的やゴールが不明確だと「かっこいい動画に仕上がったけど誰にも伝わらない」「エモーショナルな雰囲気が素敵だけど何を言いたいのか分からない」など、誰の心にも響かないコンテンツになってしまいます。

そのため、まずは社内で採用動画の目的やゴールを明確化し、外部パートナーに依頼する際はそれらを共通認識として持てるよう丁寧な情報共有を心がけましょう。

2.応募者体験を意識して設計すること

採用動画を制作する際には、応募者体験を意識して設計するようにしましょう。

採用動画を制作する目的はさまざまにあると思いますが、最終的に求める人材からの応募を獲得できるかどうかが重要です。

そのため求職者があなたの企業を選ぶまでに、どのような懸念点があるのか、どのようなリスクがあるのか、他社と比較してどう考えているのか、といった背景を分析して動画を通して「応募してくれた求職者にどんな体験をしてもらいたいのか」を明確にすることが大切です。

だからといって情報を詰め込みすぎてしまうと本当に伝えたいメッセージがぼやけてしまったり、求職者に飽きられてしまったりする可能性もあるので、常に求職者目線に立って設計していく姿勢は欠かせません。

「どんな応募者体験を生み出す動画を制作したいのか」は動画の根幹となる要素なので、外部パートナーと認識の相違が起こらないよう明確にしていきましょう。

3.どのチャネルで動画を活用するか検討しておくこと

依頼する前に、どのチャネルで動画を活用するのか検討しておきましょう。

企業HP・採用サイト・YouTube・SNS・セミナーやイベントなど採用動画を配信する場所はさまざまにあり、それぞれのチャネルによって動画を閲覧する層が異なるうえ相性の良い企画も変わっていきます。

そのためどんなターゲットに向けて、どのチャネルで、なにをアピールしたいのかについて事前に検討し、自社にとって効果的なチャネルを選択することが重要です。

ここでチャネル選びの参考として株式会社moovyによる「採用動画のトレンドに関するアンケート調査」を紹介します。

当アンケートでは「過去見た採用動画はどこで見ましたか?」という質問に対して以下のような結果が出ています。

  • 1位:会社説明会・イベント(40.7%)
  • 2位:採用サイト(34.3%)
  • 3位:YouTube(30.0%)
  • 4位:Instagram(11.0%)
  • 5位:TikTok(4.3%)
  • 5位:X(4.3%)
  • 5位:その他(4.3%)

会社説明会やイベント時は本人の意思に関係なく見る機会が設けられるため、4割程度の人が見た経験があるという数字は当然に思えますが、次いで採用サイトとYouTubeが3割以上ある点は注目すべきでしょう。

また各種SNSの数字が小さい点を考えると「若い人たちはみんなSNSを見ているだろう」という安易な理由で作成してしまうと思ったようにPVが伸びない可能性も考えられます。

どのチャネルで採用動画を配信するのか、自社のターゲット属性はどのチャネルに存在しているのかを分析して、より効果の高い場所で発信できるよう検討していきましょう。

参考:株式会社moovy「採用動画のトレンドに関するアンケート調査」

採用動画事例10選

ここからは、採用動画の事例を用途別に10選紹介していきます。

  • 社員インタビュー動画(アクセンチュア株式会社/RFA digital brains株式会社)
  • 事業紹介動画(​​株式会社アズノゥアズ/ベルフェイス株式会社)
  • オフィス紹介動画(LINEヤフーコミュニケーションズ株式会社/千株式会社)
  • 企業説明会用動画(株式会社ビヨンド/株式会社ウィルゲート)
  • コンセプトムービー・ショートムービー(国際自動車株式会社/株式会社鳥取銀行)

どんな採用動画を作成するべきか困ったときこそ事例は大いに役立ってくれるので、さまざまな採用動画を見てイメージに近いものを探してみてください。

社員インタビューの動画事例

社員インタビュー動画は求職者からの関心も高く、会社で働く人々の人柄や雰囲気・価値観といった内面的な要素を伝えやすい特徴があります。

社員インタビューの動画事例を2つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

アクセンチュア株式会社

1人の女性社員にフォーカスして展開された社員インタビュー採用動画。

仕事と育児を両立しながら働いている様子を伝えており、求職者が働き方をイメージしやすい構成になっています。

RFA digital brains株式会社

経営陣〜社員メンバーまでさまざまな人のインタビューで構成された採用動画。

何を考え何を大切に働いているのか、同社の意思や想いがダイレクトに伝わってきます。

事業紹介の動画事例

事業を紹介する動画では淡々と説明をするのではなく、コンセプトを持って紹介することによって求職者の興味関心を引き立てる要素として大きな効果を発揮します。

事業紹介の動画事例を2つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

​​株式会社アズノゥアズ

社員の日常的なシーンを見せながら事業に対する想いを伝える採用動画。

多くを語らずとも、仕事・プライベートのいずれも大切にしているメッセージが伝わってきます。

ベルフェイス株式会社

CGを取り入れたプレゼンテーション形式で展開させるスタイリッシュな採用動画。

ところどころ必要に応じた映像を組み込んで視覚的にも理解しやすい構成が特徴的です。

オフィス紹介の動画事例

オフィス紹介の動画では映像や写真のクオリティが非常に大切となります。

「ここで働いてみたい」「こんなオフィスで仕事がしたい」という感情を湧き上がらせるようなオフィス紹介の動画事例を2つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

LINEヤフーコミュニケーションズ株式会社(旧名LINE Fukuoka株式会社)

社員の案内のもと実際にオフィス内を歩いている感覚になれる採用動画。

オフィス紹介を通して、同社ならではの働き方や福利厚生もアピールされています。

千株式会社

壮大な音楽と美しいカメラワークで構成された採用動画。

社員の背中を追いかけるようにシーンが進み、ナレーションなしにくわえ、たった1秒47秒でオフィスの雰囲気を見事に紹介しています。

企業説明会用の動画事例

企業説明会で活用する動画では、求職者に対してわかりやすく丁寧に情報を共有することが重要です。

求職者が気になること、不安に感じることを事前に解決しておくことで応募ハードルが下がり、入社意向度も上げられる可能性があるので意識して制作していきましょう。

企業説明会用の動画事例を2つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

株式会社ビヨンド

代表取締役がプレゼンテーション資料を用いながら説明する採用動画。

会社概要や事業内容・企業理念といった会社の基盤部分から、どんな人材を求めているのか、具体的な募集要項、福利厚生や社内制度まで求職者が気になる内容を丁寧に解説しています。

株式会社ウィルゲート

会社説明と社員インタビューを組み合わせた採用動画。

数値データを用いながら会社概要〜求める人物像まで詳しく紹介した後、社員インタビューも盛り込んで企業理解が深まる構成になっています。

コンセプトムービー(ショートムービー)

コンセプトムービー(ショートムービー)は求職者の心に訴えかけられるため、仕事の意義や想いに共感してもらえたり、同じ価値観を持った人と出会えたりする可能性を高めやすい特徴があります。

コンセプトムービー(ショートムービー)の事例を2つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

国際自動車株式会社

ストーリーを軸に企業理念を伝える採用動画。

業務シーンを入れず、会社が実現したい想い・大切にしている事柄をエピソードを通して届けるような心温まる構成になっています。

株式会社鳥取銀行

地元就職向けにホームビデオ風のエモーショナルな映像で伝える採用動画。

生まれ育った故郷を想起させるようなシーンで構成され、地元で働くことのやさしさや安心感が伝わってきます。

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